ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

研究室旅行

29、30、31日と2泊3日の研究室旅行に行っていて、今帰ってきたところです。目的地は四国。1日目うどん打ち体験、2日目吉野川でラフティング、3日目は研究室旅行恒例(?)のカート、と例年の研究室旅行通りアクティブに遊んできました。

毎年M1の学生が企画を立てます。どこに行くかから始まって、宿の手配(貧乏なので通常はキャンプ場。今回もそうでした)、そして3日間何して遊ぶかの計画を立て、予約が必要なものには予約をする。というように、旅の一切合切の計画と手配をします。毎年色んな催しがあって、この旅行に参加するのは今年で4回目になりますが、毎年楽しませてもらっています。今年も非常に楽しかったです。

M1のみなさん準備ご苦労様。旅行に行った皆さん、お疲れさまでした。それから、運転大変だったOくん、本当にお疲れさま。

内容盛りだくさんの旅行で色々書くことがあるのですが、今日は疲れたのでもう返ります。明日以降にでも、またハイライトを書きたいと思います。


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拍手、拍手コメント

このブログの管理者用の画面には拍手数の統計情報を表示することが可能で、そこそこの頻度でそれをチェックしています。過去7日間、30日間にどのエントリーに何回の拍手があったかわかるので便利です。ただ、過去30日よりも前の拍手に関しては総数しか表示されないので、どのエントリーが人気なのかを歴史を遡って調べるのが難しい、という点はFC2に改善してもらいたいところです。

で、ふと気づくと、最近はかなりの頻度で拍手してもらっています。ブログを書き始めた当初は、一部のマニア(?)の人がたまに(数日から数ヶ月に1回)拍手してくれていただけなのですが、最近は毎日コンスタントに拍手してもらっているようです。ありがとうございます。さらに拍手と共に拍手コメントというのを使って感想とか応援のメッセージを送ってくださるかたもいて、本当にありがたいことです。私と面識のある方なのかそうでない方なのかもわかりませんが、物理の研究の応援をしてもらえるとは思ってもみませんでした。応援してくださる方、本当にありがとうございます。非公開の拍手コメントにはこちらから個別に返事を返せないので、ここでお礼を言わせてもらいます。

しかし、スポーツ選手などがファンの応援がありがたいとよく発言していますが、その気持ちがちょっとだけわかりました。応援してもらうというのは励みになるものです。


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質量と自発的対称性の破れ

今日は昨日の質量の話の続きで、質量と対称性の破れについて説明してみます。

そもそも対称性とは何か考えてみましょう。
ある操作をしたときにその操作の前後で世界の区別がつかない場合、その世界は行った操作に対して対称性があると言います。逆に区別がつく場合を対称性が破れていると言います。よく使われる例ですが、丸い紙を思い浮かべてください。で、その紙を回転させます。「ある操作」というのはこの場合「回転」です。紙が真円であれば、回転の前後で紙を回転させた人以外に紙を見せても、紙が回転されているのかどうかわかりませんよね。つまり、丸い紙は回転操作に対して対称性があるということになります。今度は正方形の紙を考えてみます。すると、90°、180°、、、と90°の倍数の回転をさせた場合、回転させた人以外には区別がつきません。逆に90°の倍数以外の回転だったら、回転させたことがわかりますよね。ということは、正方形は90°の倍数の回転に対しては対称性があるけれども、それ以外の回転に対しては対称でない、対称性が破れているということになります。

では次に無数の方位磁針が丸い紙の上に置かれている状況を思い浮かべてみてください。また、方位磁針の磁力は弱くてお互いに影響を及ぼさないとします。このとき、地磁気など一切の磁場のない場所で方位磁針を観察すると、全く磁場を感じないので、それぞれの方位磁針は勝手な方向を向きます。好き勝手な方向を向いている方位磁針がたくさんあったとしたら、方位磁針の乗っている紙を回転させても、回転させた人以外には回転させたのかどうかわかりませんよね。なので、この状況も回転に対する対称性があるということになります。

今度は強力な磁石を紙の上に載せてみます(ただしこの磁石は第3者には見えないとします)。すると、その磁石のN極とS極の向きに従って無数の方位磁針は一斉に同じ方向を向きます。この状況で丸い紙を回転させると磁石が見えない第3者でも紙を回転させたかどうかわかります。回転対称性が破れたわけです。この例では磁石という外的要因で対称性が破れたわけですが、外部から何かを持ち込むことなく自ら対称性が破れることを「対称性の自発的な破れ」と言います。

わかりにくくなるのを承知でもう少しだけ厳密に言うと、ある状態を記述する理論が本来は対称性を持っているのに(上の例だと磁石の向きの話なので電磁気学が対称性を本来は持っているということになります)、実現された状態が対称性を破っていることを対称性の自発的な破れと言います。紙の上に磁石を載せなくても、方位磁針がお互いの磁場を感じてある特定の方向に向いてしまった場合を想像してもらうといいかもしれません。外から何かを持ち込まなくても、自ら回転対称性を破るわけです。

この自発的対称性の破れという概念は超伝導を説明するために使われたアイデアで、物性の世界で使われていた概念を素粒子物理学に初めて持ち込んだのが南部さんなのです。みなさんご存知のように、その業績でノーベル賞を貰ったわけです。

本来は質量ゼロだった素粒子に質量を持たせるためには南部さんの画期的なアイデアに加えてもう一工夫必要で、その一工夫をしたのがヒッグス他数名の物理学者です。今ではヒッグスと名付けられている粒子を導入して、ヒッグス粒子によって与えられる時空の性質が、本来持っていた対称性を自発的に破ることでクォークや電子などのレプトンに質量を与える、というのがヒッグス機構と呼ばれる素粒子の質量の起源だと考えられています。ポテンシャルや真空といった概念を使わずに説明するならば…「質量」=「ヒッグスと素粒子との間の結合の強さ」x「時空の偏り具合」と考えてください。昨日は単に素粒子の質量はヒッグスとの間の結合の強さに比例すると言いましたが、その比例係数は「時空の偏り具合」ということですね。で、対称性がある状態というのは偏りが無い状態なので、ヒッグスと素粒子との間の結合の強さがいくら大きくても質量はゼロになってしまいます。ところが、時空が対称性を破った状態だと、時空に偏りが生じるために質量がゼロでなくなります。時空の偏り具合というのは時空が持つ性質で、素粒子自身には関係ないので全ての素粒子に対して同じ値を持ちます。ということで、質量はヒッグスと素粒子との間の結合の強さに比例する、ことになります。

以上が素粒子の標準理論により説明される質量の起源なのですが、私としては突っ込みたい点というか不思議なところがあります。それに、ヒッグスという粒子が本当に存在すると理論上不自然極まりない点があって、その不自然さを解決するために超対称性(SUSY)という概念・理論が導入されました。この不自然さについては前に書いた記憶もありますが、いつ書いたか定かではないので、そのうち書いてみようかと思います。がっ、ここ数日濃いぃエントリーばかりで疲れたので、この辺のことについて書くのは当分先のことになるでしょう…。

[2012年9月30日追記]
自発的対称性の破れによって素粒子が質量を獲得する部分の説明に補足を試みます。
繰り返しになりますが,対称というのは何らかの操作の前後で状態を区別できないことです。方位磁針の例だと,方位磁針の向きがランダムな状態が対称な状態で,ある特定の方向を向けば対称性が破れたということになります。で,いきなりヒッグスなのですが,ヒッグス場は,宇宙が高温で対称性を保っていたときも,実は素粒子と相互作用を起こしていました。ただし,対称性を保っていたので素粒子との相互作用の多きさが完全にランダムでした。大きさだけでなく向きまでもランダムなので,素粒子がヒッグス場から受ける相互作用の大きさの期待値はゼロだったのです。ところが,ヒッグス場は対称性を自発的に破り,素粒子との相互作用がの大きさが一定の有限値を持つようになったのです。3年前は,時空の偏り具合という苦しい表現を使っていましたが,正確に書くと「質量」=「ヒッグス場と素粒子との結合の強さ」×「ヒッグス場の強さ」なので,ヒッグス場の強さの期待値が宇宙が高温だったときはゼロ(=対称性を保っていた),ところが宇宙が冷えてくるとヒッグス場の強さの期待値がゼロでない有限値を持つようになった(=対称性を自発的に破った)というわけです。これに伴い,素粒子の質量もゼロから有限値になったと考えるのが標準理論です。

ここで一つ大事なのは,期待値という量子力学の考え方が使われていることです。場を量子化したことにより,そういう考え方をしなければならないのが,場の量子論にもとづく現在の素粒子物理の理論体系なのです。

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質量の話

昨日は予期せず長々とクォークの話をしてしまいました。それじゃあ、ということで、ついでに電子の仲間の話と、質量の話を今日はしようと思います。

クォークに3世代あるように電子の仲間も3世代あって(なぜ、それぞれ3世代あるのか、というのは素粒子物理学上の重要な謎で、今のところその理由を説明する決定版はありません)、第1世代が電子、そして電子のペアとなる電子ニュートリノ、第2世代がミューオン(μ)とμニュートリノ、第3世代がタウ(τ)とτニュートリノと合計6種類の素粒子があります。ニュートリノの質量はニュートリノ混合の実証からゼロでないことはわかっていますが、質量そのものはまだ測定されていません。一方、電子、μ、τの質量はそれぞれ0.5MeV、106MeV、1800MeVと、クォーク同様第1世代が一番軽くて、第3世代が一番重くなっています。

ちなみに、以上の6種類の素粒子たちは総称でレプトンと呼ばれています。クォークとの大きな違いは強い相互作用をしないことです。また、電子、μ、τには電荷がありますが、ニュートリノには電荷がないので、ニュートリノに関しては弱い相互作用しかしません。なのでニュートリノというのは物質との相互作用が非常に弱いのです。ニュートリノのエネルギーにもよりますが、大雑把には1個のニュートリノが相互作用を起こすには地球を1億個並べないとなりません。地球1億個分くらいの物質を通り抜けてやっと反応するわけです。ニュートリノにとっては地球なんて透明ということですね。なので、通常の検出器ではニュートリノを観測することは不可能で、有名なカミオカンデのようなニュートリノ検出器は大量の物質を標的にして(カミオカンデの場合水)、たくさん飛来するニュートリノの一部が反応するのを待つことになります。

話を戻すと、クォークの中で一番軽いuクォークは約2、3MeV、ニュートリノを除くレプトンで一番軽いのが電子で0.5MeV。一方一番重い素粒子はトップクォークで174,000MeVもあります。電磁相互作用の強さは電荷で決まりますから、クォークもレプトンも大した違いはありませんし、弱い相互作用、強い相互作用に関しても強さそのものは素粒子の種類によってそれほど変わるわけではありません。

それなのに、質量はとんでもなく大きな違いがあります。トップクォークの重さなんて電子の348,000倍もあります。すると、なんで質量は粒子によってこんなに違うんだろう?そもそも質量って何で決まっているんだろう?って物理学者は思うわけです。自分の体重を測ってなんでこんなに重いんだろう?と疑問に思い、自分のお腹の周りを眺めてその疑問の答えを見つけるのと一緒(?)です。あ、いや、この例えはあくまで自分の場合ですよ。ははは。

自分の体重はさておき、素粒子の質量はじゃあ何で決まっているのかというと、まだ見つかっていないヒッグス粒子との結びつきの強さだと考えられています。そもそもレプトンにもクォークにも質量はなくて、例えば宇宙ができた直後の世界では質量ゼロだったのですが、その後宇宙が冷えてくると、ヒッグス粒子との結びつきを持つことで質量を獲得したと考えられています(このときに重要なのが南部さんが提唱した自発的対称性の破れという概念です)。で、ヒッグス粒子との結びつきの強さがそれぞれの素粒子に固有のもので、ヒッグスとくっつきやすい(?)粒子は重く、くっつきにくい粒子は軽いというわけです。素粒子の質量というのはヒッグスとのくっつきやすさの指標ということですね。

それではなぜヒッグスとのくっつきやすさに違いがあるかというと…それは私にはわかりません。そもそも上で説明したことは、ヒッグスが発見されていない今は単なる仮説であって、ヒッグスをまず発見し、そしてヒッグスとレプトンあるいはクォークとの結合の強さを測定して(レプトンとクォークの質量は測定されていますから)、上の仮説が正しいことを実証することが現在の素粒子物理学の最重要テーマの一つなのです。平たく言うと、質量についてはまだよくわかってないんですね。

もっと説明したいことがあるのですが、今日もいい加減長くなったのでもうこのへんでやめます。明日以降(?)にでもまた続きを書きます。


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トップクォーク

先週に引き続き今日もフロイブルク大学とのミーティングを行いました。

このブログを読んでるみなさんには説明不要かもしれませんが、世の中には6種類のクォーク(プラス、6種類それぞれの対となる反クォーク)が存在します。クォークというのは、現在の物理学では物質の根源をなす素粒子であると考えられていて、それ以上分割不能な最小単位みたいなものだと思ってください。クォーク以外だと電子(とその仲間)も素粒子と考えられていますが、今はクォークに注目して説明します。

クォーク6種類にはそれぞれ名前があってアップ(up)、ダウン(down)、チャーム(charm)、ストレンジ(strange)、トップ(top)、ボトム(bottom)と名付けられ、uクォーク、dクォーク、、、などと略されて呼ばれます。この6種類のうち自然界に多く存在するのはuとdです。というのも、uudという組み合わせで陽子が、uddという組み合わせで中性子ができているからです。陽子や中性子が原子核を形作り、原子核と電子から原子ができていますから、世の中の物質はuクォーク、dクォーク、そして電子からできているといってもいいくらいです。

ところで、uとd、cとs、tとbをペアとしてそれぞれを第一世代、第二世代、第三世代と呼んで、第一世代より第二世代、第二世代より第三世代のほうがより重くなります(他にも性質の違いはありますがその説明は省略)。重さを表す単位としてMeVというのを使うと(その単位が何を意味するのかは無視してもらって単にそういう単位なんだと思ってください)、uが2、3MeV、dが5MeV、sが100MeV、cが1300MeV、bが4200MeV、tが174,000MeV程度です。先に説明したようにuとかdは自然界に存在しますし、sクォークを含んだ粒子というのも宇宙線が大気に衝突することで、それなりに自然界に現れ観測するのも容易です。

ですが、cクォークより重い粒子というのは自然界では滅多に生成されないので、生成されたとしてもそれを観測することは非常に難しいです。そういうわけで、sクォークを含んだ粒子(K中間子)は宇宙線中で発見されましたが、それより重いクォークからなる粒子の発見には加速器を必要としました。より重いクォークを生成し発見するには、より高いエネルギーの加速器が必要で、cクォークと反cクォークからできているJ/psiと呼ばれる粒子が発見されたのは1974年、bクォークと反bクォークからできているUpsilonという粒子が発見されたのは1977年でした。もうこの段階で誰もが(?)6番目のクォークであるトップクォークの存在を信じていましたが、先に書いたようにあまりにもトップクォークが重かったためになかなか発見されませんでした。

日本でも高エネルギー加速器研究所(KEK)というところにトリスタンという大型加速器を検出してトップクォーク探索をしようとしていた時代がありました(が、トリスタンが完成したときには、他の様々な実験事実からトリスタンで達成できるエネルギーではトップクォークを生成できないことが予想されていた、という悲しい歴史があります)。日本以外でも幾つかの加速器を用いてトップクォーク探索を行いましたがなかなか発見できず、ようやく1994年になってアメリカのフェルミ国立加速器研究所(Fermilab)でトップ・反トップクォーク対の生成が確認されました。

このトップクォークというのはほぼ100%の確率で瞬時に(クォーク同士の束縛状態を作る前に)、bクォークとWという弱い相互作用の媒介粒子に崩壊してしまいます。トップクォーク以外はクォーク単体で崩壊するのではなく、その前にクォーク3つが集まってバリオンと呼ばれる陽子や中性子の仲間になるか、クォークと反クォークでペアを作ってメソンと呼ばれるπやKという粒子の仲間になります。

ここまで説明してようやく冒頭のフロイブルクとのミーティングの話に戻ります…。

フロイブルクと私たち双方がbクォークに興味を持っています。ヒッグスがbクォーク・反bクォーク対に壊れることができるから、というのが主な理由なのですが、そういう物理的なモチベーションからまずはbクォークの研究をしたいと考えています。するとトップクォークというのがbクォークの良い供給源になるんですね。10年前には発見を目指していた粒子なのに、今は別の粒子の供給源と考えられたり、あるいは超対称性(SUSY)から予言される粒子の探索などでは、トップクォークは邪魔な偽信号となってしまったりします。

そこでトップクォークが生成された事象をたくさん集めてbクォークの研究をしてやろう、というのがフロイブルクと私たち双方が今考えていることで、これに関してどうやって共同で研究を進めていこうか、ということを先週、今週と2週に渡って相談をしました。実際にはこの2つのグループだけでなく、たくさんのグループによって似た研究がされているので、いかに今までなされていない研究を探すか、というのもミーティングの重要なテーマでした。

…ミーティングの話をするつもりが、とんでもなく長いエントリーになってしまいました。


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へろへろ

今日の午後は昼食直後から今までずっと会議でした。大学の雑用関連が2つ。いやー、へろへろです。あまりにもしんどかったので、ブログに書いてストレスを発散させてます。

うーっ、疲れた。


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助成金への応募

とある助成金の公募に募集しようと思い、研究テーマを考えているのですが、なかなかいいアイデアを思いつきません。

実際に今行っている研究、私の場合だとATLAS実験でヒッグスを見つけてその性質を究明するとか、SUSYで予言される事象を見つけるとか、、、こういうのだったらテーマはもちろんすぐに決まりますし、研究計画も具体的にガンガン書けます。が、第三者的に判断すると、例えば自分が審査員の立場だったら、今書いたようなテーマではなかなか採択しずらいです。

今回のような少額の助成金の場合、基本的に個人の研究になります。ところがヒッグスとかSUSYの研究というのは(詳細に見ると、大型プロジェクトの予算を実際には使っていない研究でも)大型プロジェクトとして走っている研究の一部分とみなされてしまうので、すでに大型予算のついている研究には助成金を出す必要性がない、ということになってしまいます。なので、バカでかい助成金を除いては、小型プロジェクトのほうが申請書を書きやすく、私のように大型実験に参加している人間の場合、素直な研究テーマ・計画で採択されるのは相当難しいです。

あくまで、自分が(ATLAS実験とは全く関係のない)審査員の立場ならどうするかを考え勝手に判断しているので正しいかどうかわかりませんが、まあ、自分が無理と思うテーマではなかなか申請書を書く気がおきません。

そこで、同じATLAS関連でも研究テーマに一捻り加えるか、あるいは予算を出してあげたくなるような別のテーマ、私の場合だと検出器の開発など、を考えるか、の二択を考えています。ただ、私の場合予算を必要としているのはATLAS関連なので、なんとか研究テーマに一捻りを加えられないかとここ数日考え続けています。
…その結果が冒頭で、なかなか一捻りを加えることができず、現実逃避したくなっている今日この頃です。


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帰省

この週末は土曜の朝からプライベートの用事で実家へ帰省。今帰って来たところです。

家族で帰省したのですが、仕事で出張するよりも遥かに疲れました。普段やってる仕事とは全く違うことをしてきたことが疲れた一因なのですが、もう一つの理由は、私の実家というのは東京から距離的にはそれほど離れていないのですが、山の中のために時間が相当かかり、かなりのハードスケジュールになってしまいました。

交通機関が発達した今は、時間と距離の比例関係が激しく崩れてますよね。


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発想の違い

研究のためにアメリカに住み始めた頃、ささいなことですが驚いたというか感心したことが2つありました。

1つは物を作る時に、いかにいい加減に作ってもちゃんと完成するように考えられていることです。例えば、組み立て式の家具を買ってきたとします。日本製だったら、正確な位置に穴があって気持ちよく組み立てられます。が、なにかの手違いで一箇所穴の位置がずれていると、わずかなずれでも組み立てるのが大変になります。

ところがアメリカ製品には、穴がネジよりも大きく遊びをもたせてあるものが結構あります。あるいは穴が円ではなく細長い棒状になっていて、お互いの位置関係がきっちりしてなくても大きめのワッシャーをかませばちゃんと完成するようになってるんですね。家具だけでなく、実験で使う器具にも同じような工夫をしてあることが多々あります。

日本人だといかに正確に仕事をこなすかに腐心しますが、彼らは最初から精度の高い仕事を諦めて(?)、いい加減な作業でも不具合が起きないように物を設計することに腐心するんですね。どっちがいいとか悪いの問題ではなくて、物事に対する最初の立ち位置が全く違うなぁと驚いたものです。あるいは、失敗することを前提に物事を考えるんですね。失敗しないように気をつけるのではなく、失敗しても大きなダメージを受けないための工夫に時間を費やすんですね。

ちなみに、ホンダやトヨタみたいな物作りの会社が外国で製品を作る時には、同じような問題に取り組むんだそうです。日本人とアメリカ人の工場労働者の仕事ぶりを比べると、明らかに日本人のほうがクオリティコントロールが高いわけです。なので、同じような設計をするとアメリカ人労働者を使った場合歩留まりが悪くなってしまいます。あるいは故障を多発するとか。そこで、いくらいい加減に作ってもクオリティが落ちないようにするための、部品の設計やら、組み立て工程ということまで考えるのだそうです。

もう一つ驚いたことが定規です。日本の定規だと、例えば30cmのものなら、1cm刻みに目盛りがあり、さらに1cmを10等分する1mm刻みの目盛りがあったりしますよね。アメリカではインチを使いますから10インチとかの定規なわけですが、驚いたのは1インチ以下の目盛りの振り方です。日本人だったら0.1インチ刻みに目盛ると思うのですが、彼らのは1/2インチ、1/4インチ、1/8インチ、、、というように目盛られているんです。

最初使ったときは何の疑いもなく1インチが10等分されていると思い、0.3インチを測ろうとしたんですね。ところが0.3と思った長さがなんとなく7.5mm(1インチ=2.54cmです。確か)には見えなくて、よーく定規を見ると10等分ではなく8等分なんです。いやー、驚きましたよ。周りのアメリカ人に聞いたらそれが当たり前だと言われ、じゃあ0.3インチはどうやって測るのかと尋ねたら「うーん、そんなの測ろうと思ったことない」という返事で、また驚きました。

定規によっては1/8インチではなく1/16インチまで測れるので(1/32インチもあるのかな?)、日本で標準的な1mm刻みに比べて無茶苦茶粗いというわけではありません。が、1/10目盛りに慣れている私にとっては新鮮な発見でした。

…いきなりな話題でしたが、ここ最近のニュースを見ていてなぜかこの話を思い出しました。


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学会申し込み

物理学会は年2回、3月と9月に行われます。この9月の講演申し込みの締め切りが迫っています(たしか今月末まで)。ということで、私たちの研究グループでも誰が発表するか、発表する場合はそのタイトルを決めないとなりません。

これが結構面倒なんです。自分が講演するのなら、3ヶ月から4ヶ月後にどれくらい研究が進んでいるか読めるのですが、ポスドクや学生がどれくらい研究を進められるか高い精度で予測するのはそれほど簡単ではありません。特に学年が下に行けば行くほどその予想は難しいですし、これまでの接触時間が短い人の場合はさらに難しいです。

研究の進み具合の予測がなぜ必要かというと、それが講演のタイトルに直結しますし、学会で発表するに値する内容になるかどうか現時点で判断しないとならないからです。あ、もちろん、学会で発表するための審査があるわけではないので、極論どんなにレベルの低い講演をしても原理的には良いのですが、まあ、そこはモラルというか、自浄作用というか、プライドというか、そういった諸々が絡み合ってあまりクオリティの低い発表を自分の関係者がするのは控えたいわけです。あと実際問題としては、あまりにクオリティの低い発表者がいると研究室の評判が落ちますし、発表者本人のためにもデキが悪いという印象を与えてしまいますので、将来へのネガティブキャンペーンになってしまいます。

そんなわけで色々考えたり相談した結果、ポスドクのUさんとM1のOくんの2人が発表をすることになりそうです。博士課程の学生でCERNに長期滞在中(あるいは長期滞在する予定)の学生は、学会よりも実験の立ち上げ時に現場にいるほうが重要なので(なにしろ、何十年に一回の歴史的瞬間ですから)、現地滞在してもらうことにしました。


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統計

職業柄、統計の処理には非常にうるさいです。完全に職業病で、新聞やニュースの報道、その他のほとんどの数値情報に関して、誤差がない数字、あるいは誤差を推定可能な情報を与えられていないと、脱力して見る気が失せてしまいます。私だけではなく、この業界の人全体が(たぶん)同じような職業病にかかっています。実験を生業としている人間なら誰しも似た症状を持っていると思いますが、素粒子・原子核関連の人には研究の性格上、この傾向が著しいようです。

例えば、最近のインフルエンザ関連の話だと、危険度を判断するためにまず致死率を調べ(単純にニュースで言われてる値だけでなく、その値を算出する時にどういうバイアスが働いているかを考えます)、さらに他の原因で死ぬ人の数がどれくらいかを調べ、日常生活の危険度に比べてどれくらい危険なのかを考えます。こういうことを意識してやってるわけではなくて、自然にそうやってしまうところは職業病だなぁと感じます。

ただ、こういうことをしてしまうのは単に職業病なだけでなく、もともそういう素養が自分にあったのかな、とは思います。中高校生くらいのときは地理、地理と言っても何かを覚えるのではなく、表やグラフを見るのが好きでした。グラフの数値を眺めてどういうことがわかるのか考えるのが面白かったんですね。それにプラスして物理が好きだったので、今やってることというのは、子供の頃に好きだったことそのものなのかもしれません。

で、最近色々調べて面白いと思ったのは、自殺者が多いだけでなく、不慮の事故で亡くなる人の数も多いのに驚きました。交通事故死者を除く事故で年間3万人程度は死んでるんですね。調べていてさらに不思議だったのは、不慮の事故というのは主にお年寄りが転んだり、窒息することなのですが、男性はそれ以外の事故が多いようなんです。例えば、不慮の事故で亡くなった女性の8割以上が60歳以上の方で、これはまあ窒息やら転んだというのが主な原因のようです。ところが男性の場合、不慮の事故で亡くなった人のうち60歳以上というのは5割強しかいません。そもそも不慮の事故で亡くなる方は男性のほうが多くて、その多い分というのは60歳未満男性の事故死者が60歳未満女性の事故死者を大きく上回っているからなのです。交通事故は除いていて、かつ60歳未満の人の事故の被害者というのが圧倒的に男性だということです。スポーツとかで男のほうが無茶をするからなんでしょうかね。

さらに別角度で5歳ごとに年齢を区切って、男性と女性の死亡率(原因は事故に限らず病気など全て含む)を比べると、当然のことながら(平均余命から予想されるように)男性のほうが死亡率高いのですが、その高さに唖然とします。5歳から15歳くらいまでは大差なくて、男性10に対して女性7とか8くらいの死亡率の比率なのですが、15歳を超えるときっちり2倍男性のほうが死んでます。15歳から50代中頃まではきっちりと2倍で、その後、60代70代になると2.5倍くらい男性のほうが死亡率高くなります。でまた80代を過ぎるとその差が徐々に縮まります。

とまあ、細かいことはどうでもいいのですが、すでに15歳くらいにして男の死亡率が女の2倍というのは驚きでした。それくらいの年代だと病気ではなく事故で死ぬ場合が多いでしょうから、やっぱり男の子のほうが色んな面で無茶をして危険にさらされているということなんでしょうかね。

いや、それにしても、15歳以降ずっと2倍の死亡率…。女性のみなさん、男性を大切に取り扱ってあげましょう。電車等の公共の交通機関では男性が優遇されてもいいのではないかと思うくらい、男性のほうが生きるの大変なようです。


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フライブルグ大学とミーティング

昨日のエントリーで書いたように、今週は全授業が休講。かつミーティング等人が集まる催しをなるべく避けるよう大学から通達されているため、ほとんどのミーティングやゼミ、4年生との実験などを今週はキャンセルしました。ヘビーロードだった雑用も一段落してきているせいもあり、なんかいきなり暇になった感じがします。普段はいかに多くの時間をミーティングや学生の教育に使っているのか実感します。

そんな静かな週ですが、今日は避けられない研究関係のミーティングをテレビ会議でやりました。ATLAS実験をやっているドイツのフライブルグ大学というとこの研究チーム(の一部。彼らは非常に大きなグループなので)と私たちのグループがこれから共同研究をしていこうということで、その打ち合わせでした。というのも、今D1の学生は7月からフライブルグに常駐して研究を行うことになったので、じゃあということで、協力してやっていけることは上手くtask shareしようということで、何をどう分担するのか相談しました。

今週はどんな作業を今していて、今後どんなことを分担できるかお互いリストアップ。来週はもっと具体的に分担を決めようということになりました。面白そうなアイデアの交換もあって有意義なミーティングでした。10人以下の少人数で、かつ、同じ目的意識を持った人間でやるミーティングは効率がよくていいですね。


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全学休講

昨日のエントリーを書いた後、私たちの大学も休講になるのではないかとウェブやらメールをチェックしていたところ、予想通り全学休講になりました。講義だけでなく、教職員、学生が一箇所に集まるようなことは避けよ、というお触れで、私たちの研究室ではゼミとミーティングも今週は中止になりました。逆に言うと、上記以外は今のところ通常通りで、教職員は仕事しに来ています。一人で端末に向かうような仕事はOKということなんでしょうね。

がっ、ちょうど今届いたメールによると明日から学食が休み。うーん、こうなると大学に来ようか迷ってしまいますね。

会社でも休みになってるとこがあるようで、日本人は社会活動を停止するつもりなんでしょうか。もはやパニックに近い状態ですね。昨日も書きましたが、現状、殺人で死ぬよりも低い確率なんですから、インフルエンザそのものよりも、こうして社会活動を麻痺するパニックに陥いるのが一番怖いです。これで公共交通機関が止まったりしたらエラいことです。

今は弱毒性だけど、冬に強毒性になるのが心配なんていう記事まであって、マスコミはパニック現象を起こそうとしてるのでしょうか。で、ふと思ったのですが、強毒性が怖かったら、弱毒性の今のうちにインフルエンザにかかって抗体を自分で作っておくというのはダメなんでしょうかね?同じウィルスでも毒性が変わると抗体は役に立たなくなってしまうのでしょうか?


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小中学校臨時休業

インフルエンザ騒ぎで、私の住んでいる地域の小中学校、幼稚園等では来週いっぱい休校にするところが多いようです。その騒ぎに飲み込まれ、私の子供が通っている幼稚園も一週間休園。なるべく外出しないように、というお触れ付きで…。ただでさえ元気を有り余らせている子供を1週間家に缶詰にするなんて拷問です。子供だけでなく、親への。一緒に過ごす嫁にとっては大変な1週間になりそうです。

日本人の反応はやはりやり過ぎですよ。対応が後手に回るとそれこそ自殺に追い込まれるほどマスコミに責められますから、それよりは過敏でもいいので対応を早めにしたほうがよい、という判断なのでしょうね。行政も、地域の小中学校も。自分がもし行政側だとして、適正ではない、やり過ぎの対応とわかっていても、マスコミが怖くて同様の対応をしてしまうかもしれません。

調べてみたところ、年間の季節性インフルエンザの死者は日本で毎年数百人。これにプラスして、インフルエンザが直接の死因ではないけれども、インフルエンザが引き金となって合併症を引き起こして死亡したと推定される人が1万人程度なんですね。後者は超過死亡と言われ、65歳以上の高齢者がほとんどです。死因としては肺炎とか、なんちゃら不全とかに分類されるために、インフルエンザ絡みだったかどうかは推定されているわけです。

今回の豚インフルエンザは死亡率などから季節性インフルエンザ並みの弱毒性と判断されているようですから、今回の対応が以下に過敏であるかがわかります。(65歳未満の人にとっては)数日前に書きましたが、交通事故者数6,000人弱、自殺者数3万数千人に比べて問題になりませんし、さらに殺人の犠牲者になる確率(年間約1,000人犠牲者がいます)よりも低そうです。もちろん、毒性が季節性インフルエンザ並みでなければ話は別で、それが確定していない現在は、上で書いたように怖くて行政としては過敏対応をせざるを得ないんでしょうね。


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休日

今日は久々に完全休養日です。子供とどこかへ遊びに行こうかと思っていましたが、天気が悪いのでどこにも出かけず、家でぼけっとしています。4歳児のために借りてきたポケモンのDVDを子供と一緒に見て、子供と一緒に泣いています…。

前にも何度か書いていますが、いやー、ホントにどんな映画を見ても泣けてしまいます。自分の涙腺の緩さに感心します。


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宇宙線を捕まえる

ゴールデンウィーク丸潰れになるほど雑用で首が回らなくなって、ミーティングで学生やポスドクの人の活動をチェックする以外、自分自身の研究活動を一切やっていませんでしたが、ようやく雑用から解放されつつあります。D1の学生がやってることの手伝いですが、今日は久々に少しだけソフトウェアと格闘。デバッグしてるとあっとい間に時間が過ぎてしまいます。

さて、先週から4年生の実験をちょろちょろ始めました。正確に言うと、実験をするための道具立てをマスターしてもらうための訓練を始めました。とりあえずは、3年生くらいの学生実験でもよくあるネタで、宇宙線中のミューオンを捕まえて、その寿命を測ってもらいます。が、低学年での学生実験と違うのは、測定用の装置のセットアップを全部彼ら自身でやってもらう点です。

セットアップされたものを使って測定するだけなく、検出器の特性や調整方法、検出器からの信号をどう組み合わせると欲しい宇宙線を選別できるのか、得られた信号をどうやってコンピュータに取り込むのか、そして得られたデータをどうやって解析するのか、等々の手順を学んでもらうのが目的です。

第1回目の先週は、オシロスコープの使い方の復習、それから検出器からの信号を処理するための電子回路の使い方を体験してもらいました。今週はプラスチックシンチレータという電子や陽子、そしてミューオンなどの荷電粒子を検出する装置の調整の仕方を体験してもらう予定でした。が、途中で来客があって4年生だけでしばらく調整を続けてもらったところ、戻ってみると全然調整が捗っていなくて、4年生2人に泣きを入れられてしまいました。Kくん、Fさん、ごめんなさい。2人だけでコトを進めるのは少し早過ぎたかな。来週また一緒にやりましょう。でも、実際の実験というのは、今日のように思ったように進まないことが多いものです。学生実験のように簡単に結果を出せるものではありません。


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大学組織

南部さんの講演に関するエントリーを楽しみにしている(た)人もいるかと思いますが、訳あって講演に関する話は書けません。お気づきの方もいるかと思いますが、この話題に関する過去のエントリーも数日前に削除しました。講演の内容を報告できなくてすみません。

しかし、大学というのは事務の人の権力が絶大ですね。私たちが普段接する事務の人達は普通に親切だし、なんらかの意志を持って大学をコントロールしているわけではありません。が、その上に役人から天下ってきた人間がいて、その人達が大学の意思決定をしてるのだということを思い知らされるここ数日です。

大学が法人化されて総長の権限が大きくなったと建前上言われていますが、実際には全くそんなことないようです。院政というか、裏番というか、そういう人がいるんですね。でも大学で院政をしている事務方の人というのは、元締めの文科省の指令を単に忠実に、(私みたいな不真面目な人間から見たら)ありえないくらい一生懸命遂行しようとしているだけという可能性もあります。なので、世界で最も成功した共産主義と言われる日本の役所仕事を体感しているのだけなのかもしれません。


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学生時代の知識

いやー、今日は久々に冷や汗をかきました。

学生時代の恩師のNさんから、私が学生のときにやっていた実験、それも私がやっていた解析ではなくその実験のメインといえる別の解析の内容について質問されて、いや焦りました。今の私がその実験をやっていれば当然おさえておくべき内容なのですが、学生だった私は質問された内容に関して全く問題意識を持っていませんでした。自分がやっていた解析のことは勿論よく理解していますが、それ以外の解析については、大人(1人前の研究者)なら当然知っているべきような内容でも知らないことが多いものだと改めて思いました。

優秀ではない私にとっては仕方ないことなのですが、正しい大局観を持つことはやっぱり難しいです。しかも学生のときは目の前の問題処理に全精力を使ってしまって、物事を俯瞰してみるのが難しいです。ある意味それが普通なので、学生が大局観をあまり持っていなくても驚かないのですが、逆に、物事をしっかり見通すことができる学生に出会うと「こいつ、凄いな」と思ってしまいます。問題処理能力が高いだけでは驚きませんが、若くして大局観を持っている学生というのは貴重です。


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自殺者数

日本では豚インフルエンザ関連の報道が物凄いですね。感染した日本人が日本へ帰って来る時に載った飛行機の座席表まで新聞に載ってるのには笑いました。そこまでやる必要あるのでしょうか。

この話題のちょっと前にSMAPのメンバーの一人が警察に捕まったという話がありましたよね。あの時も、そこまで報道するか、というくらいしつこくやってて呆れましたが、なんというか、日本人はお祭り好き、スケープゴート好きなんでしょうか。くさなぎ剛は、豚インフルエンザのおかげで報道に取り上げられなくなってホッとしてるかもしれませんね。

くさなぎ剛といえば、不思議に思ったのは家宅捜査されていたことです。よく知りませんが、家宅捜査するには裁判所の許可(?)がいるのではなかったでしたっけ?単なる酔っぱらいの公然猥褻くらいで家宅捜索の対象になるものなのかと相当驚きました。

おっと、相当脱線しましたが、豚インフルエンザの報道が過熱してるので、他にも身近に色々危険があるよなぁ、と思い、年間の交通事故者をまず調べてみて、その次に自殺者数を調べたのですが…日本人って年間に3万人以上も自殺者がいるんですね。驚きました。2007年(だったかな?)の交通事故死者数が6,000人弱、それに対して自殺者数は33,000人程度(毎日100人ですよ)だったと思います。交通事故に気をつけるよりも自分で自分を殺してしまわないか気をつけるほうが重要なんですね。しかも、自殺者の多い年齢に近づいてますし…。

ついでに世界ではどんなものかと思って調べたところ、旧ソ連が圧倒的に自殺者が多くて、日本人の自殺率と同程度から2倍近くでした。それでさらに驚いたのはロシア人男性の平均寿命って57だか58歳なんですよ。自殺率が強烈に高くて(女性の8倍くらいだったでしょうか)、平均寿命をそこまで下げているんだそうです。人生50年って、信長の時代とたいして変わらないとは、ホント驚きです。


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雑感

いやー、政治家、お役人(私たちにとっては文科省)、◯◯(チキンなので怖くて書けません)、怖いですね。怒る理由とか思考がヤクザ屋さんとかヤンキー兄ちゃんと一緒ですし(って、じゃあ私の思考パターンと一緒かもしれませんが)。


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日帰り東京出張

今日は高エネルギー物理関連の委員会があって、東大付属の素粒子物理国際センターというところに日帰り出張をしました。東大付属と言っても実際には理学部内にあるので、場所としては本郷です。委員会初日の今日は1時間半(2時間弱だったか?)程度の軽いものでしたが、次回以降は午後まるまる潰れることになりそうです。

この委員会のメンバーは20人程度なのですが、東大までの所要時間が一番かかるのは私のようで(広島の人が距離的には一番遠いのですが、飛行機利用なので、時間としては私が一番かかったようです)、わずか2時間弱の会議のために片道3時間半強、往復で7時間以上も費やしてしまいました。もったいない時間の使い方でした。次回からは何か他の用事も付け加えたいものです。

で、ふと思ったのですが、よく考えると、東京への日帰り出張というのは私にとって初めてでした。新幹線に乗ると、日帰り出張中のビジネスマン風の人をよく見かけますが、みなさん大変ですね。というか、あんなに大勢の人がもったいない時間の使い方をしてるのかと思うと、いくら新幹線が速くてダイヤ通りで便利でも、human resourceの無駄遣い甚だしいのではないかと感じました。

ちなみに出張自体は楽なもんですね。国内で片道3時間半の出張なんて、時間とお金を気にしないなら毎日でも楽勝です。というか新幹線に座っていればいいだけなので、普段の生活よりも楽なくらいです。


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5月8日のエントリ

5月8日のエントリとコメントは都合により削除しました。[5月11日]

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宇宙線中の(陽)電子測定の続報

ちょっと前に宇宙線中の(陽)電子過剰というエントリで、宇宙線中の陽電子と電子の量があるエネルギー領域で予測されるよりも多いという話をしました。暗黒物質の対消滅にともなう(陽)電子生成の可能性があるために、今非常に注目されている観測結果であるという内容でした。

そのときもお伝えしたように、FERMIという人工衛星を使った宇宙線測定プロジェクトでは今までよりも高い精度で電子のスペクトラム(どれくらいのエネルギーの電子がどれくらいの量あるか)を測定することが可能で、その最新結果が待たれていました。アメリカの物理学会で発表するために、preprintと呼ばれる査読なしの論文にすら発表していなかったのですが、約1週間ほど前にpreprintとしてその結果が投稿されていました。

結果をいきなり書くと、残念ながら過去の実験ほどの(陽)電子過剰は観測されませんでした。過去の実験に比べて測定誤差が小さいので、昔の結果は…という状況です。それでも、100GeV以上の領域では、既存の電子源からだけでは説明できないようなわずかな過剰を観測しています。ただし、昔の観測結果ほどの大きな過剰ではないので、現在の予測量に考慮に入れられていないパルサーからの電子のせいだ、というのが最も有力な解釈だそうです。暗黒物質の対消滅というシナリオを否定することはできない、というただし書きはありますが、まあ、素直に読むとその可能性は低いと考えられているようです。

ちなみに、このpreprintは astro-phの0905.0025です。

専門家ではない人向けに説明しておくと、査読付きの専門誌に投稿すると同時にpreprintという形式で世間に論文を広めます。専門誌の場合、投稿してから雑誌に掲載されるまでにかなりの時間を必要とするので、とりあえず最新結果を報告するという意味合いがあります。私たちの世界で広く使われているのは、arXivと呼ばれるpreprintのデータベースです。Los Alamosというアメリカの国立研究所にサイトがあるのですが、今は注意書きにCornell大学が運営、National Science Foundationが財政面のサポートをしてる、とありますね。

どこが運営してるかは置いておくとして、普段私たちはこのサイトのおかげで苦労なく最新の実験結果、理論の情報をチェックすることができます。自分の好きなカテゴリーにsubscribeすると、1日1回、過去24時間に投稿されたpreprintのタイトルとabstract(概要です)をメールで送ってきてくれます。このメールをちらっと眺めているだけで最新情報を得られるのですから、有り難いサービスです。


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α、β、γ線

書くネタを思いつきません。そこで、先日のAuger電子のエントリに引き続き、4年生ゼミでどんなことをやったのか書いてみます。教科書の一番最初なので、放射線とはなんぞやみたいな、専門家ではない人に対しても説明しやすい内容なので。

一言にまとめると、放射線って色々あるけどその中でもα、β、γ線とは何か、というのが私たちがゼミで使っている教科書の出だしでした。

αというのは陽子2個と中性子2個からなる粒子で、陽子が2個あるので電荷は+2です。その周りに電子が2個ひっついた束縛状態ならヘリウム原子です。逆に言うと、ヘリウムの核子単体だったらαということになります。ですから、α線源と呼ばれる放射性物質は放射性崩壊をすると、原子核中の陽子数と中性子数がそれぞれ2づつ減ります。よって原子番号Z(=原子核中の陽子の数)は2減り、質量数A(=原子核中の陽子数と中性子数の合計)は4減ることになります。

βというのはβ崩壊と呼ばれる形式の崩壊で生成・放出される電子のことです。電子ではなく陽電子を放出する同様の崩壊はβ+崩壊と呼ばれ、区別されます。ではβ崩壊で何が起きているかというと、原子核中の中性子が陽子、電子、反ニュートリノに変化します。なので、上のα線の説明と似たことを書くと、崩壊前後で原子番号が1増えて(陽子が新たに1個できるので)、質量数は変化しません(中性子が陽子になったので、中性子数と陽子数の和は変化しません)。じゃあもう少し突っ込んで、中性子が陽子になるとはどういうことか考えてみます。中性子はuクォーク1つとdクォーク2つからなっています。陽子はu2つにd1つ。ということは、β崩壊では実のところdクォークがuクォークと電子と反ニュートリノに変化しているのです。dクォークの電荷は-1/3、uクォークの電荷は2/3ですので崩壊の前後で電荷がちゃんと保存していることにも注意して下さい(反応後はuクォークの電荷2/3と電子の-1を足して合計-1/3と、反応前と同じです)。このβ崩壊は自然界に存在する4つの相互作用の中の「弱い相互作用」というものによって引き起こされます。弱い相互作用というのは素粒子物理学を研究している人間にとって色々面白い性質があるため、β崩壊というのは研究上、学習上、非常に重要な物理過程です。

ちなみに逆β崩壊というのは、陽子が中性子と陽電子、そしてニュートリノに変化する崩壊過程です。陽子のほうが中性子より軽いので、陽子単体では逆β崩壊は起きません。原子核中の束縛エネルギーによって、陽子よりも中性子になったほうが安定な物質(原子)があるため、それらの原子で逆β崩壊が可能になります。詳しくはクォーク質量の生成というエントリの前半あたりを見てみて下さい。

最後にγ線ですが、γというのは電磁波のことです。ただ電磁波と言っても、波長の長いほうから電波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線と、波長によって呼び名が変わります。ということで、γ線というのは波長の非常に短い電磁波のことです。放射性物質では、より安定な(=低い)エネルギー状態になろうとして、低いエネルギー状態に落ちる際の余分なエネルギーをγ線として放出します。崩壊前の原子のエネルギーと崩壊後の原子のエネルギーの差が放出されるγ線のエネルギーというわけです。

というような内容を、4年生ゼミの1回目でやりました。ゼミではもう少し詳しくやりましたが、要約するとこんな感じでしょうか。


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テレビ会議

テレビ会議でCERNに長期滞在中の学生とミーティングを終えたところです。雑事に追われて今日ミーティングする約束だったことをすっかり忘れてましたが、奇跡的に約束の時間にミーティングすることを思い出しました。

本来はミーティングの日ではないのですが、彼一人でCERN滞在中であること、前回のミーティングに彼が参加できなかったこと、などがあってマンツーマンの臨時ミーティングを行いました。それに、スイスでは豚インフルエンザの感染者を一人出してますから、彼が元気にやってるかどうか確認したかったので…。

豚インフルエンザうんぬんは冗談ですが、海外に学生が長期滞在してると、研究面よりもまず生活面で問題がないか心配してしまいます(親御さんだったらもっと心配なんでしょうね)。逆に生活面がちゃんとしていれば、今日ミーティングをした学生も、もう一人のD1の学生も研究面に関してはそれほど心配していません。二人とも進むべき方向を自分でしっかり考えますし、方向に迷った時はちゃんと質問してきてくれますから。逆に、知識がいくらあっても、進む方向を自分で考えない、方向が定まらないのに質問してこない、方向不定のまま研究をしてしまう、こういう学生だと教員は不安いっぱいになります。


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一般公開に参加してみて

昨日は、いちょう祭の一環として行われていた各研究室の研究紹介や模擬実験を家族と眺めてきました。理学部だけでなく、基礎工学部というのも同じようなことをやっていたので、そっちも覗いてきました。本来は研究紹介をする立場なわけですが、逆に見て回るほうの立場からの感想を持てました。

まず最初に感じたのは、研究紹介なり、模擬実験をどこか1箇所でやれないかということ。どうしても見たいという目玉商品があるならかまいませんが、ダラダラと巡ってみようと思っている人(がほとんどだと思うのですが)にとっては、それなりに大きな建物を1つか2つの研究室のために歩き回るのは相当面倒でした。逆にいくつかの見学が並んでいると、面白そうなのだけを選んで見るということはしないで順番に全部眺めるので、そんなに面白そうなものではなくても勢いで見てしまいます。準備する側の立場として、場所の確保という問題があるのは当然わかりますが、今後考えないとならない課題ではないかと思いました。

もう一つ感じたのは、やっぱりという感じなのですが、研究内容をポスターで淡々と紹介されるよりも、研究そのものと直接関わりがなくても「つかみ」のために模擬実験というか、見学者参加型の何かがあったほうが好印象です。研究してる人にとってはあまりに当たり前過ぎることでも、そうでない人にとっては実際に手に取って体験する機会はないので、やっぱり目に見える、手で触れる何かを提供するのが大事かなと感じました。私たちの研究室の霧箱の実験の実演も、そういう意味でよい実験だったと思います。M1のひとたち、お疲れさまでした。

話は変わりますが、南部さんの講演を5月11日(5限です)とお伝えしましたが、13日の5限に変更になるかもしれないそうです。確定情報は7日以降に配布されるそうです。Kくん、というのが現時点での最新情報です。


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5月1日のエントリ

5月1日のエントリとコメントは都合により削除しました。[5月11日]
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