ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

冬休み

この年末年始は北海道にある嫁の実家で過ごします。今日の夕方のフライトなのですが、ここ数日悪天候で飛行機が欠航になっているので、予定通り飛べるかちと心配してます。天気図を見ると、北日本はまだ強い冬型の気圧配置で、風、雪ともに強そうです。

飛行機のチケットが正月前後では取れなかったので、少し長いですが、来週1週間は北海道で冬休みです。ネットワークを使えない可能性が高いので、しばらくこのブログは休みになります。ということで、読者の皆様、よいお年をお迎え下さい。


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ゲージ対称性

素粒子物理学の土台になっているのが量子力学と相対性理論ということは広く知られていますが、もう1つ重要な概念にゲージ対称性というものがあります。量子原理、相対性原理、そしてゲージ原理の3つの考え方から現代の素粒子物理学は作られている、と言っていいくらいです。そこで今日は、馴染みの薄いゲージ対称性について少し説明してみます。

CP対称性の破れのエントリーでも書いたように、ある変換を行っても物理法則が変わらないことを物理学の世界では対称性があると言います。例えば並進対称といえば、座標を並行移動させても物理法則は変わらない、ということを意味します。東京で実験をしても、大阪で実験しても結果が変わらなければ、その実験を支配する物理法則には並進対称性がある、ということです。

素粒子物理学の世界には根本的な対称性が幾つかありますが、それらは2つのグループに大別することができます。時空に対する外部対称性と、それ以外の内部対称性です。時空に対する対称性というのは、文字通り我々が存在する3次元空間+時間の4次元空間におけるある種の座標変換です。上で例に挙げた並進操作などは時空における変換なわけです。一方、粒子の状態を記述するためには、4次元時空で指定する以外の性質もあります。例えば粒子の性質の1つにスピンというものがありますが、スピンは粒子の位置と時間だけでは指定できません。そういう4次元時空以外の座標空間のことを内部空間と呼びます。

ゲージ変換というのはある内部空間において粒子の位相を変えるような変換のことです。実空間でないのでイメージしにくいですが、とにかく、実空間以外での変換だと思って下さい。ということは、ゲージ対称性というのは、その内部空間における変換操作をしても物理法則に変わりがない、ということを意味します。特に驚きなのは、局所ゲージ対称性といって、粒子の位相を時空の各点で勝手に変えてしまっても物理法則が変わってはならない、という要求をすると、相互作用がどういう形なのか決まってしまうのです。別の言い方をすると、局所ゲージ対称性が保たれるように理論を作ろうとすると、ゲージ場という力の媒介粒子を導入せざるをえず(電磁気なら力の媒介粒子は光子、弱い力では電荷がそれぞれプラスとマイナスのW粒子と中性のZ粒子、強い力ではグルーオンです)、かつ、その媒介粒子と元々存在する粒子との相互作用が一意的に決まってしまうのです。

ゲージ変換と一言で言っても、変換を行う内部空間が複数定義でき、定義された内部空間によって変換の仕方も違うので、複数の種類のゲージ変換というものが存在します。その変換の仕方を数学的に分類したのが、U(1)変換とか、SU(2)変換とか、SU(3)とか、SU(5)とか、、、で、電磁気力なら、U(1)変換に対するゲージ対称性を要求すればその相互作用を理論的に記述できる(QED)のです。弱い力ならSU(2)、強い力はSU(3)といった具合です。さらに言うと、電弱統一理論と呼ばれる電磁気力と弱い力を統一して記述する理論では、SU(2)xU(1)変換に対するゲージ対称性を要求しています。

というように、粒子の相互作用を記述する理論の土台にはゲージ対称性という考え方があり、電弱統一理論と強い力を記述するQCDの成功から、ゲージ原理というのは、冒頭に書いたように量子原理、相対性原理と並ぶ宇宙の根源的なルールだと考えられています。こういう背景のもと、内部対称性であるゲージ対称性と、重力を記述するための外部対称性を混ぜこぜで使うにはどうしたらよいのか、という問題に対する解が超対称性なのです。それについては先日このエントリーで説明した通りです。

とまあ、ごちゃごちゃ書きましたが、一般にはあまり知られていませんが、とにかくゲージ対称性というのが素粒子物理学には非常に重要な役割を果たしているのです。


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今日は久々にのんびりとしています。授業やゼミがなく、ミーティングや人との打ち合わせもなく、心おきなく研究に打ち込め…るはずなのですが、いくらのんびりとした1日でも期限の迫っている雑用的な仕事は際限なくあるもので…。とある原稿に、とある申請書、と幾つか作文をこなさないとなりません。プラス大学関係の雑用などなど。ちょっと前のエントリーでも触れましたが、1月中旬くらいまでは雑用に追われそうです。

ところで、今日は雪が降りました。昨日からだいぶ寒くて、今朝も相当寒いと思っていたらオフィスの窓にカチカチという音。何かと思ったら、雪というか雹みたいな固形物が降っていました。ウェブで天気予報を見ると、最高気温が6℃の予想。大阪としては超一級の寒さです。

そういえば、大阪出身ではない私にとって大阪の暑さというのは驚きでしたが、大阪(というか関西)の冬の気候にもわずかに違和感(?)があります。というのも、埼玉県出身の私のイメージする冬というのは、毎日毎日快晴で風が強い、というものでした。冬型の気圧配置が強まって寒くなればなるほどいい天気なんですね。ところが関東地方と違って日本海から吹き付ける湿った風を遮るのに十分な高さの山がない関西地方では、季節風が強まると日本海側でなくても雲ができてしまいます。その結果、雨が軽く降ったり、今日のように雪になったりします。「寒い=快晴」というのが自分にとってのイメージだったもので、寒くて雪というのは、ちょっと違和感を覚えるわけです。

来週からは嫁さんの実家のある北海道へ行くのですが、うーん、寒そうです。連日最高気温が氷点下みたいです。


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酒の値段

今日はこれから研究室の忘年会でY教授宅へ伺います。

日本では自宅へ人を招くことはわりと珍しいですが、欧米ではよくあることで、私たちも海外に住んでいた時はよく人を呼んだり、人に呼ばれたりしていました。人に呼ばれたら、まあ、何か持って行くわけですが、料理をしない自分の場合は大抵酒を持って行きます。今回みたいにクリスマスが時期的に近ければ、迷わずスパークリングワインを買って行くのが常套手段でした。が、今回は迷います。というのも、日本は物によっては酒の値段が凄く高いです。

ちらっと近所の店を眺めたのですが、よく買ってたシャンペンの値段が、2倍から3倍。相当おもいきらないと買えない値段になってます。ウィスキーとかバーボンなんて原産国と大して変わらない値段の酒もあるのに、なんでシャンペンはこんなに高いのか謎です。ワインも高いですね。シャンペンほどではありませんが。為替レートの変動にも無関係に高いですし、税率でも違うんでしょうか。

というようなことを考え、TPOを無視して、自分の好きな日本酒を買って行くことになりそうです。


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停電

昨日は、大学が予定されていた停電でした。計算機資源としてはCERNももちろんありますが、メールサーバーは基本的に大学にあるのを使っているので、メールを気にする必要のない(少なくとも昼間は)静かな休日でした。最近のエントリーで書いているように、雑用に埋もれて過ごす日々はメールの読み書きが仕事の中心になっているので、メールの来ない昨日は本当に心落ち着けて休養を取れました。

ということを書いてて思ったのですが、電車の中はもちろん、歩いているときでもとり憑かれたように携帯のメールを読み書きしている人いますよね。彼らに心休まるときはあるのでしょうか?私のように携帯を持っていないと、メールを読むというのは完全に能動的な行為です。携帯でもメールチェック自体はもちろん能動的ですが、着信の知らせがあるという点では受動的な面もありますよね。いつメール来るのか待ち受けてる、みたいな。実際、電車に乗っていても、物凄い勢いでメールの着信に反応する人います。そういう人たちを見ると、いつ携帯のことを忘れてリラックスしてるんだろう、って不思議になります。

まあ、停電にならないと、常にメールチェックしなくちゃ、って思う自分自身も相当病気だとは思いますが。ははは。


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年末発表会

昨日書いたように、今日は1日中2つの研究室合同での学生の発表会でした。真面目なミーティングではない、というと語弊がありますが、学生が間違ったことを言っても、誤解を受けたとしても、神経を尖らせてそれを一々訂正しなくてもよいので、自分の指導している学生の発表も含め、観客として発表を楽しんでいました。

ミーティングの性質に依るのですが、間違った情報は言えないし、相手に突っ込まれたら必ずそれを打ち返さないとならない(反論を返せないと学術討論の場では負けです)ミーティングもあります。国際会議や学会はもちろんそういうミーティングの一種です。ですが、今日の発表会は学生個人が主人公で、かつ学問的に真理を追究するための会合というわけではないので(少なくとも私はそう捉えています)、学生の訓練と思い、なるべく彼らに好きなように発表してもらい、好きなように質問に受け答えしてもらっています。というのが、前の段落で書いたようにリラックスして発表を楽しめる理由です。

内容もバラエティに富んでおり、とても2つの研究室がやってる研究の幅とは思えませんでした。それから、普段何をやってるのか知らないので、隣の研究室の発表がやはり面白いですね。特に博士課程くらいの学生になると発表もしっかりしており、何をやっているのかよくわかり勉強にもなります。


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復活(途中?)

ようやく体調が元に戻ってきました。N大、K大との合同研究会を無事終え、これからゆっくり休みます。

明日以降、普段通りのブログ更新になると思います。



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体調不良

先週から少し風邪気味だったのですが、昨日から症状が悪化し、今日は1日辛かったです。授業に学生のゼミ、そして物理学専攻の会議と、朝から今までスケジュールが詰まっていたので余計に厳しい1日でした。物理学専攻の会議では議長か書記をやるのですが、今日は書記。ボーッとしていて、議論は耳に入らないし、議事録もボロボロでした。

頭痛や咳などの症状以外に体全体の関節が相当痛いので熱があると思うのですが、明日も授業。週末は研究会。というように休むことができないので、こういう時は熱は測らず、無視するのが私の定跡です。熱を測って何度あるかわかってしまうと、精神的に余計に辛くなっちゃいますから。どうせ休めないなら無視するに限ります。

しかし、雑用。どんどん増えてます。うーむ…。


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修論

ふと気づくと世間は年の瀬なんですね。新聞に大掃除の話題が載ってるのを見たり、クリスマスのイルミネーションを見ると、今年もあとわずかだということに気づいて愕然とします。大人になると毎年のことですが、このブログ読者のみなさんも同様の気分ではないでしょうか。

私にとって今年は例年と少し違います。指導をしている学生が修論提出を控えている点です。実験を長年やっているので実質的に指導した学生は何人もいますが、大学でオフィシャルな指導教員として指導した学生の修論というのは初めてだからです。本人たちは時間に追われて(多分?)寝るのも惜しんでラストスパートしてると思うのですが、私としては基本的に自分で何かをするわけではないので、見守るだけというツラさを味わっています。アドバイスは勿論しますが、研究を仕上げるのは本人でないとなりませんから。

修論の提出日は2月初め。その後、10日前後に修論発表があり、それをクリアすると無事修士になれます。それまでIくん、Hくん頑張って下さい。あと自分の担当学生ではありませんが、RくんとYくんも。それから別大学ですがMくんも頑張って下さい。


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超対称性と重力

今日は書くネタを思いつかないので、突然ですが、超対称性と重力の話を少ししたいと思います。

まず本題に入る前に素粒子の世界の対称性について簡単に説明すると、大きく分けて2つの対称性があります。1つ目は時空に置ける対称性。例えば空間における並進対称とか、回転対称。あるいは時空で回転変換するとローレンツ変換です。ある変換をするための操作は群を作るのですが、時空における変換群のことをポアンカレ群と呼びます。

もう1つの対称操作に内部対称性というものがあります。物理をやってる人にはお馴染み(?)のアイソスピン対称とか、場の位相変換(みたいなもの)であるゲージ変換など、実空間(時空)以外での対称操作です。ゲージ変換というのは素粒子物理学では最も重要な概念の1つで、ゲージ変換に対する対称性から相互作用を決めることができます。端折った説明ですが、電磁気力はU(1)、弱い相互作用はSU(2)、強い相互作用はSU(3)変換に対する対称性の要求から、その相互作用の形が決まってきます。また実際、そういう理論から予想される性質が実験的に確かめられているわけです。

で、物理学者が目指す大目標の1つに力の統一ということがあります。電磁気力と弱い相互作用はSU(2)xU(1)という対称性から成功しており、次の目標は強い力との統一(大統一と呼ばれる)です。さらに遠大な計画としては重力までも統一したいわけです。

じゃあどうやって力を統一していくかというと、SU(2)xU(1)みたいに群の掛け算みたいなことをしてもっと大きな群を作ることが考えられます。例えば、大統一のためにはSU(5)がウンタラカンタラと聞いたことないでしょうか?SU(5)というのは、SU(2)xU(1)(すなわち電弱統一理論)も、SU(3)(すなわち強い相互作用)も含んだより大きな群なわけです。大統一まではこの方法でいいのですが、重力まで含めようとすると全く繋がりのない時空の変換と内部空間における変換を含む群を考えなければなりません。

仮にSU(X)で大統一(電磁気力、弱い力、強い力の統一)ができたとすると、重力まで含めた統一をするには、SU(X)×ポアンカレ群みたいなもの(?)でなければならないという数理物理学的な定理(Coleman-Mandulaの定理)が存在します。これは由々しき問題です。何の関係もない(独立なというべきでしょうか)時空と内部空間との対称性を同時に満たす群が存在する根拠がありません。

そこで登場するのが超対称性です。超対称性については何回か説明してるので、こことかこことかここのエントリーを参考にして下さい。一言で言うと、フェルミオンとボソンを入れ替える対称性です。で、なぜそんなに超対称性が重要かと言うと、もし超対称性があると、めでたいことにポアンカレ群と内部対称性(ゲージ対称性など)を扱う群をくっつける(というか、超対称性が時空に関する操作と内部空間における操作の両方を行う)ことができるのです。つまり、超対称性があれば重力まで含めた力の統一の可能性があるのです。全ての力を統一して美しい理論を作り出したいという子供じみた夢を持つ物理学者としては、今のところ超対称性なくして、その夢を叶えることができないんですね。なぜ私も含めて物理学者が超対称性を崇拝しているのか、少しは納得してもらえるでしょうか?

ちなみに、Coleman-Mandulaの定理を打ち破った(?)人たちは、力の統一をしてやろうとか、超対称性に狙いをつけてたとかではなく、単に数理的にその定理に挑戦して、偶然超対称性を見つけたらしいです。(というふうに、KEK理論のO教授から昔聞いた記憶があります。合ってるかな?)

毎回意味不明な文章を垂れ流していますが、今日のエントリーもきっとチンプンカンプンだったことでしょう。やっぱり何かを説明するには、物事を順序立てて説明しないとなりません。なのに、ブログでは毎日の思いつきで記事書いてますからね。そのうち、一般の方向けの説明をどこかに纏められればよいのですが。

[12月17日修正と追記]


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雑用に埋没

土曜日のエントリーで書いた通り、雑用に埋没中です。

少し前のエントリーで紹介した自分のグループのメンバーとミーティングを2時間した以外は、今日は研究活動はおろか、教育活動もしていません。午後から大学へ来たとかそういうオチはなく、朝から普通に勤務しているのに、です。広く言うと今処理中の雑務は教育活動の一環だったり、研究活動の一環なのかもしれませんが、物理学を専攻した人間でなければできない仕事ではありません。一般職の方にこういう仕事は処理してもらい、私たちは研究か教育に専念したほうがよっぽど効率がいいと思うのですが、大学は雑務処理のマンパワーが明らかに不足しています。

私たちの大学はそれでも准教授の雑用は少ないほうだと思います。逆に教授になると雑用が死ぬほどたくさんあり、研究活動をする時間がほとんどありません。どこの大学でも似たような状況なのですが、これって本当に資源の無駄遣いです。優秀で若くして教授になんかなってしまうと、研究や学生の指導をする時間がなくなっていくわけです。むしろそういう人の雑用はどんどん減らしてあげるべきなのに。全くもったいない話です。



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雑用週間

今週から来週にかけては、私にとって雑用集中週間になっています。大学のなんとかプログラム関係の仕事、今度の週末に、N大学、K大学と定例で行っているATLAS日本グループ内での研究会があり、それに関する諸々の準備、その他、ここにおおっぴらには書けない雑用が幾つか重なり、授業とその準備、そして学生とのゼミ以外はアカデミックの香りの全くない日々を過ごしています。

この前大学時代の友人と話をしたとき、会社では具体的にどういうことに時間を使っているのかを聞いたところ、ほとんどが会議とメールでの応対だと言っていたことを思い出しました。何か物事を共同で進めると、どうしてもそうなってしまうんですね。直接会って話をする時間を作れればミーティングをするのが手っ取り早いですが、複数の人間の日程を調整するのは難しいので、結局のところメールで色々な相談をすることになり…直接話をするのと違って話がなかなか進まず、大量のメール交換ということになってしまうのですね。

いやはや、早いとこ片付けたいです。


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脱力

毎週金曜の午後は、工学部1年生相手の実験の授業。(先週と)今週は私の担当実験が無い週でしたので、提出されたレポートの採点を延々とやっていました。で、その採点を終えての感想がタイトルの脱力。まさにこの一言です。

1クラス30人分を読むとなるとそれだけでも結構時間がかかって、実際、今日の午後は丸々潰れたわけですが…、30人のレポートのうち約25人分は完璧といっていいほど同じレポート。読むだけ損した気分です。考察まで完全に一緒とは。学生が誰かのレポートを真似するのはある意味周知の事実なわけですが、それにしても表現も変えず、そのまま写すというのは理解不能です。私だったらそんなコピー機みたいな作業、やれと言われてもやりたくありません。しかもお茶目な(おっちょこちょいな)学生は、元のレポートのフォトコピーの一部まで間違ってレポートに紛れ込んでいて…本当に脱力でした。

実験の授業というのはオリンピックみたいなもので、参加する事に意義があります。毎回出席して、毎回レポートを提出さえしていれば、内容がいかに悪くとも単位を落とす事はありません。写経みたいな苦痛な作業をする必要なんてないんですよ。幼稚な内容の考察でも全く問題ありません。授業中もそう言っているのですが。変な方向に真面目なんですかね。

あと最近は模範レポートなるものがウェブ上に出まわっています。たぶん、今回のレポートのほとんどはそれを写したのではないかと思います。が、世間に出まわっている"模範"レポートって全然模範的ではありません。考察とか色々書いてあるのですが、踏み込みが非常に甘く、素人丸出しのレポートなのです。学生がそういうものを目にするのを防げないとしたら、真の模範レポートが世間に出まわって欲しいものです。


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生物と無生物のあいだ

先週のKEKへの出張の移動中読んだ本が、タイトルの「生物と無生物のあいだ」。話題の本だったらしいので、読んだことのある人もいるかと思います。書評を書くつもりではないので全体の感想、あるいは本の要旨は書きませんが、高エネルギー物理をやってる人間として強く印象に残った点を2つだけ挙げておきます。

本の内容は基礎医学(生物学?)についてなのですが、実験的なアプローチの仕方は、基本的に私たちと全く同じだということが印象に残りました。ある細胞の働きがわからないときはその細胞を含まない生体を作り、どういう問題が発生するか、どういう病気を発症するかを調べるわけですが、こういうアプローチって検出器のどこに問題があるかわからないときに我々がとる行動と全くです。たぶんそういうことやってるんだろうな、とは漠然と思っていましたが(それ以外に思いつくアプローチの仕方がないので)、本当に同じなんですね。

逆に私たちの世界とはあまりに違ってビックリしたのが、医学界(あるいは生物学の世界?)のヒエラルキーです。著者が言うには、アメリカではそういうことはないようですが、日本では未だに教授が非常に権力を持っていて、その研究室の教授以外のスタッフ・学生は、教授の手足となって働く奴隷なんだそうです。白い巨塔の世界なんて小説の中だけ、あるいはウン十年前の話だとばかり思っていましたが、現実にはまだそういう世界もあるんですね。高エネルギー業界では考えられません。いや、確かに教授に対するイエスマンもいるにはいるのでしょうが、かなりの少数派と思います。むしろ教授であろうと自分の意見をしっかり言える人間が私たちの世界では評価されたりします。大多数の人間が言いたい事を言ってますね、高エネルギー業界では。

昔、医者の友達と話をしたときも同じような話を聞かされ、「マジかよ」と思っていましたが、どうやら医学界というのは恐ろしいところなんですね。ただ、後から聞いた話ですが、教授がそうやって権威をふるっているおかげで教授に逆らえず、教授の号令のもと、地方の過疎地にも若い医者を送り込むことができた、という事実もあったらしいです。つまり、昨今の地方の医者不足というのは、昔よりもヒエラルキーが崩れてきたためだというわけです。もしそれが本当だとすると、単にヒエラルキーが悪いとも言い切れず、事は単純ではありませんね。


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私たちのグループでやってること。その4

ちょっと間が空きましたが、私たちのグループで私以外のやっていることの紹介、の続きです。現在、自分以外に4人のメンバーがいるので、今回がこのミニ連載ものの最終回です。

今までのメンバーは学生でしたが、今回紹介するUさんはアメリカの某大学で博士号を取得し、去年の冬から私たちのグループで研究活動を行う研究員です。れっきとした日本人ですが、アメリカの大学で学んだくらいなので、私よりずっと流暢な英語を話します。ステレオタイプな研究者のイメージに非常に近く、ある意味、私たちのグループで(というか、この業界の中でも)最も研究者っぽい存在です。まあ、本人はそうは思っていないでしょうが…。

そんな彼女が今最も多くの時間を割いている(と思われる)のが、何度か登場したbジェット同定関連の仕事です。一言で言うと、bジェット同定関連のソフトウェアの整備とテストを任されています。その傍ら、SUSYが存在した場合のヒッグス粒子の探索可能性をシミュレーションを使って調べています。ヒッグス粒子というのは色々な生成のしかた、崩壊のしかたがあるのですが、ある特定の生成・崩壊過程を使うとどれくらいのデータ量でヒッグスを見つけることができるか等を調べています。が、私のミスもあって、当初の思惑ほど探索感度がなく、今後の方針を今模索中です。

学生ではないので、相談には乗るけど、なるべく本人の自由意志で物事を決めてもらいたいと思っているのですが、じっと見守っているだけというのはなかなか難しいもので、アドバイスしたくなるのを抑えるのが難しかったりします。逆にあらぬ方向へ進まないようにある程度は方向づけするも自分の役割だと思っているので、アドバイスする量の匙加減は難しいものだと実感しています。

ちなみに彼女は年間の半分近くをCERNに滞在して研究活動を行っています。来年度からは博士課程の学生もなるべく多くCERNに滞在できるよう、滞在費用の工面に腐心する毎日です。


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LHCの破損磁石

2、3日前のエントリーで書いたLHC近況のアップデート、というか、写真の紹介です。

ATLAS日本グループに流れたメールで知ったのですが、CERNのプレスリリースに9月に故障した加速器の写真が掲載されています。そのサイトはここ。写真が3枚と動画が1つあります。写真は左から順番に、一番ダメージの大きかった電磁石(正確には2つの電磁石の接合部)、その台座、そして修理の様子です。クリックすると大きな写真を見ることができます。

左の写真から、2つの電磁石が大きく動いているのがわかります。巨大かつ頑丈な構造物がここまで壊れるとは驚きですね。台座なんて折れてますし。そのサイトの説明を簡単に要約すると…このようにこわれた磁石が53個あり、そのうち28個はすでに地上に搬出され、かつ、予備の最初の2個はすでに搬入されました。交換作業を来年3月末までに終了し、その後、超伝導状態にすべく冷却、電源を入れるテストを終えるのが6月末とスケジュールされています。

数日前のエントリーで書いた通りですが、なんとかスケジュール通りに作業が進行し、故障に対する対策が上手くいくことを願っています。


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大移動

昨日は1日中移動日でした。

基本的にはつくばから大阪の家まで帰るだけなのですが、私用で埼玉の実家近くの親戚の家を訪ねる必要に迫られ、KEKを出たのが7時半前、大阪の家に着いたのが20時半と、13時間もほぼ移動だけでかかりました。というのも、つくば、というかKEKに行くのも不便ですが、私の実家は非常に田舎にあるため東京駅からだと3時間ほどかかってしまいます。しかも、親戚の家に行くためには車しか手段がないので、実家で車を借りなければならず、距離はたいしたことないのに、本当に時間がかかりました。

ちなみに、実家+親戚の家での滞在時間は合計でも30分程度。なので、昨日は本当に移動だけに時間を費やした1日でした。そのおかげで、かなり読書できました。普段そんなに本を読むほうではありませんが、流石に昨日の移動中は本を結構読みました。「生物と無生物のあいだ」という本をほぼ完読しました。有名な本らしいのでご存知の方も多いかもしれませんが、面白いと感じる点、自分たちのやってることとの比較(著者は生理医学(生物学?)の学者)など、色々思うことがありました。近日中に感想でも書いてみようかと思っています。

話題は変わりますが、今回のKEK滞在中は色々な人に会いました。なかでも2人は懐かしい人たちで、1人は私がポスドクだったときに同じような立場でBelle実験に参加していた元同僚。今は高エネルギー業界にはいないのですが、たまに連絡を取り合って、今回も約2年ぶりの再会でした。

もう1人に会うのも2年ぶりくらい(3年近くかもしれない)。私がフェルミ研究所という所で研究員をしていた頃の知り合いで、彼は当時ポスドクだったのですが、故あってこの業界から足を洗っていました。優秀な男だったので勿体ないと思っていたのですが、最近ニュートリノの実験を始めたそうで、KEKで働いていました。その事実を知らなかったのでサプライズの嬉しい再会でした。ちなみにこの男、私が知っている人間の中で一番大量の酒を飲めます。妻も彼のことをよく知っていますが、人間離れした飲みっぷりと私たちは認識しています。今回も一緒に飲みに行ったのですが、相変わらず酒を水のように飲んでいました。


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LHC近況

去年の9月の故障以来停止中のLHCですが、新たな予定が発表されました。結論を先に書くと、来年7月の実験再開を目指しています。

故障の修理だけだと3月いっぱいで終わるのですが、故障した箇所の原因調査の結果、同様の問題が発生する可能性のある場所が他にも2カ所あることがわかり、故障の原因を取り除くための処置もなされます。故障した箇所を含めた合計3カ所での作業が終わるのが5月半ば。さらに故障箇所の最終チェックと超伝導磁石を冷却するのに1ヶ月ほどかかり、予定としては6月末から7月に加速器の運転を再開することになりそうです。そこから去年の9月のようにビームをLHCに入射・周回させ、そして2つのビームの衝突を何とか7月中に実現させたい、というのが目標として発表されました。

オフィシャルな発表ではなかったのでいいかげんな噂の流布にならないようこのブログでは書きませんでしたが、一時期、来年中のLHC再開は無理ではないかという噂も流れていました。故障原因の対策のためにもっと時間をかける、というのがその理由だったみたいですが、来年7月再開で落ち着いてよかったです。

とはいえ、予定がそう決まっただけで、安心するのはまだまだ早いですね。加速器の修理及び故障対策が予定通り進むことを祈っています。

[2009年7月23日追記]
LHCの最新スケジュールについてはこのエントリーこのエントリーをご覧下さい。


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陸の孤島

今日は午後から八王子にある沖セミコンダクター(沖電気の半導体部門だったのですが、今はロームという会社に売却され、沖からは独立しています)という会社に行って来ました。私たちの分野で現在広く使われているシリコン半導体検出器は、センサー部分と信号読み出し用のLSIからなっています。ところが今開発中の検出器ではセンサー部分とLSIが一体型となっています。そのため、検出器を実際に製造するのには、LSIを作れる会社に発注することになります。その発注先が沖セミコンダクターというわけで、今日はその打ち合わせに行って来たというわけです。

と、偉そうに書いていますが、私はこの検出器開発プロジェクトの中心人物ではないので、枯れ木も山のなんとか、というやつでした。真面目なことを書くと、LSIには特別詳しいわけではないので、自分の勉強のつもりで行って来ました。

しかし、ここKEKは本当に陸の孤島ですね。つくばから八王子の高尾までは片道2時間半。乗り換え時間などを含めると3時間ほどかかります。打ち合わせは午後の遅い時間からだったので、夕食すら食べてないのに帰って来たのは22時過ぎ。しかもつくば駅からKEKまではバスがなく、自腹でタクシー(というか、この日帰り出張は私にとっては公用ではないので、全額自腹なのですが。とほほ)。つくば駅・高尾駅間は単に遠いので時間がかかっても仕方ありませんが(ただし、つくばまで来る電車の本数は少なすぎです)、つくば駅からKEKに来る方法はもう少し整備して欲しいものです。

もちろん採算とれないから一般の会社がバスを走らせられないというのはわかるのですが、せめてバスがない時間にKEKでバスを運行するくらいできないのでしょうか。21:30発のそういうバスがあるらしいのですが、今日はそれにも間に合いませんでした。例えば、21時以降、電車の終電までバスを周回で運行するくらいなら、KEKの予算規模だったら誤差みたいな微々たる予算で可能だと思うのですが。

あ、もっといい方法があります。なんとか省みたいにタクシー券をばんばんユーザーに配ってくれたのでもいいですね。しかも居酒屋タクシー。
…ありえない世界ですね。

本当に移動だけで疲れ果てた一日でした。


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検出器テストの具体例

今行っているシリコン半導体検出器試作品のテストがどういうものか、私たち実験物理屋以外でもわかってもらえるよう、今日は端的な例を挙げて説明してみようと思います。

まずデジカメを想像して下さい。昨日のエントリーでも書いたように、私たちが開発中、あるいは荷電粒子の位置の測定用として広く用いられている半導体検出器というのは、デジカメの兄弟分です。デジカメは光センサーの数を何百万画素(今や何千万?)と表現しますよね。文字通り多数の光センサーからなっていて、その一つのセンサーをピクセルと呼びます。私たちが開発中の検出器についても、同じようなものだと思って下さい。

そのテストがどういうものかと言うと、大きく3つに分けることができます(一般的ではなく、今説明のために勝手に3つに分けます)。

1つ目はまず、各センサーからの信号を読み出せるかどうかです。検出すべき光などがセンサーに入射したとして、センサー自体がそれに応答してなんらかの電気信号を作り出しても、それをコンピュータなどで読み出せないことには、私たち人間にはセンサーが動いているのかどうかすらわかりません。そこでセンサーの作り出す電気信号を読み出すための装置(ハードウェア)そのものと、読み出すためのコンピュータ・プログラム(Data Acquisition System 略してDAQ)が必要になります。テストの第一歩は、これらの装置が正しく動作しているか確かめることから始まります。一昨日説明したように、私たちのグループのHくんが、データ読み出し用ハードウェアに必要なファームウェアとDAQ開発の中心となっています。

2番目にやるべきことは、光などが無い状態での検出器の反応の確認です。デジカメなら真っ暗な状態で撮影して、真っ暗な映像になっているか確認することに相当します。例えば、大きな電気的ノイズがあれば、真っ暗なのになんらかの露光を受けたようになります。電化製品として売られている物では心配する必要ありませんが、私たちの使う繊細な検出器では些細な電気的ノイズその他の影響で、検出器が思ったように動作しなくなったりするので、センサーへの光が無い状態での検出器の反応というのは非常に重要なチェックすべき項目です。また、データ収集システムが正しく作動していることの確認にもなります。

ここまで済んだら、いよいよ光などをセンサーに当てて検出器の反応、つまり電気信号が正しく生成されているか確認することになります。真っ暗な状態に比べてセンサーから有意に大きな信号が来ているかチェックするわけです。ここまで来ると色々なテストができて非常に面白くなります。レンズを着けて動画を撮影する、なんていう楽しいことまで出来るわけです。

現状、可視光に対する反応は確認できたので、次の段階としてX線とかβ線などの放射線に対する反応を確認するのが、今の私たちの目標です。それで昨日はβ線源を使ってテストをしていました。それとは別に、レーザー光に対する反応を見るテストも今計画準備中です。レーザー光のスポットサイズを数ミクロン程度まで絞れるレーザー装置を借りて、一つのピクセルにだけレーザー光を入射させます。これによって、光の入射しているセンサーだけが反応して、電気信号がとなりのセンサーに漏れ出ていないかとか、一つのセンサー内の有感領域がどれくらいあるか(1つのピクセルの全面が光検出可能ということはありません)、などなどをテストすることができます。

というのが、テストの大まかなイメージです。実際には以上のテストをするためのハードウェア、ソフトウェア両面のデバッギングに時間を費やしてしまうのですが、問題を解決してテストが進むのは面白いものです。


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試作検出器のテスト

昨日も書きましたが、今回KEKに出張している理由の一つが新型シリコン検出器の試作品のテストです。まだ実用化段階ではなく、試作品を作りテスト。その結果をもとに修正・改善を加えたデザイン。そしてまたテスト…ということが繰り返されます。デザイン・設計という一つのループプロセスに数ヶ月かかるのですが、試作品の修正版ができたので、そのテストの手伝い(Hくん達が行っているテストの野次馬?)にやって来ているというわけです。

今日はちと真面目にテストを手伝い、当然のことながら色々な問題に出くわし、実験の楽しさを味わっているところです。放射線源(β線)を使って検出器の反応を見ようと試みたのですが、その測定の前に理解不能な挙動が色々あって長々と時間を費やしました。色々調べた結果、理解できた謎もあるのですが、多くは謎のままです。Hくんは今も調べていますが決定打はありません。ただ、答えのある、誰かが答えを知っている学校での勉強と違って、誰も答えを知らないことをパズルを解くみたいに考えて問題解決していくのは、実験の醍醐味です。私はいわゆる勉強というものはあまり好きではないのですが、こういう楽しさを大学院の学生時代に知ったがために、今もこうして研究を続けています。

ちなみに、テストしている検出器というのはデジカメなどに使われている光センサーの兄弟くらいに思って下さい。可視光を検出することも可能で、試作品にレンズを組み合わせて動画を撮影するというお遊びもHくんたちは前にやっていました。自作デジカメですね。その検出器で電子などの荷電粒子の検出をすることができるのです。LHC実験など高エネルギー実験で使われているシリコン検出器というのも、同じ原理の検出器です。

さて、明日のテストは上手く行くとよいのですが。


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私たちのグループでやってること。その3

私たちのグループでやっていること紹介の第3弾です。今日はM2のHくん。

これまた研究熱心で色々なことをやっています。修士1年時はATLASの解析ソフトウェアに慣れる意味も込めて、bジェット同定関係の研究をしていました。具体的には、bジェットの同定性能の評価方法の開発です。同定性能というのは端的には、真のbジェットをbジェットと見つけることができるかどうか(efficiencyと呼びます)、bジェット以外をbジェットと間違って同定してしまう確率(fake rate あるいはfake probabilityと呼ぶことにします)、この2点に集約されます。efficiencyが高くてfake rateが低ければいいわけです。

もちろん、その性能は高ければ高いほどいいので、bジェット同定に使われる検出器の性能を高める努力(設計開発から建設。そして一昨日説明したように、モニターの充実と絶え間ない微調整など)、より良いアルゴリズムの開発、などなどが行われています。プラス、その性能を正しく評価、理解することも解析上非常に重要になります。これがbジェット、これはbクォーク起源ではないジェット、というのが実際のデータの中でわかれば勿論性能評価は簡単にできますが、評価したいbジェット同定を使わずにあるジェットをbクォーク起源なのか、そうでないのかを見分けることは難しいので、性能評価というのが簡単な作業ではありません。

特にLHCのようなハドロン衝突型加速器ではこの性能評価が難しく、今までに使われてない新しい方法がないかと個人的に考えていました。その新しい方法というのをシミュレーションを使って試してみる、ということをHくんはやっていました。その結果が一段落着いたのが去年の秋で、それ以降、彼は全く別なことをしています。

Silicon On Insulator(SOI)という技術を使った新しいシリコン半導体検出器の開発に参加しています。検出器の詳細は別の機会に説明するとして、彼は試作品の検出器の信号の読み出しを中心人物として行っています。読み出し用ボードのファームウェア、DAQ(データ収集システム)のソフトウェア開発を引き受け、試作品のテストをするには不可欠な人間として頑張っています。試作品の開発・テストはKEKで行われているので、去年の秋以降、大部分の時間をKEKに滞在して研究活動を行っています。

今私がKEKに来ているのも、新しい試作品ができたのでそのテストのため、いや、Hくんのつかいっぱをするためです。


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KEK

昨日から茨城県つくば市にあるKEKに来ています。が、自分のラップトップが昨日はネットワークに繋げられませんでした。前回来た時に(MACアドレスの)登録をしてWEPのキーを貰い、無事に使えていたので今回はノーガードだったのですが…うーん、なんで使えなくなったのかわかりません。考えても仕方ないので、今朝改めて登録。今はその登録完了を待っているのですが、研究グループの使うローカルなネットワーク(登録待ちしているのは、研究所内で広く使える無線LANなのですが、そのネットワークが所内全域で利用できるわけではないので、色々ローカルなネットワークが存在してるようです)からこうしてブログを書いています。

KEKというのは元々高エネルギー研究所の略称でした。NHKと同じで日本語のローマ字標記での頭文字をとっています(Kou-Energy-Kenkyuujo)。なぜ英語の頭文字にしなかったのかというと、噂ではHEL(High Energy Laboratory)になってしまうからだ、と聞いたことがあります。まあ音的にはマズいですが、それはそれでナカナカ面白いネーミングではあったかもしれませんね。今の正式名称は高エネルギー加速器研究機構(だと思うのですが、自信ありません…)です。

そのKEKですが、素粒子物理の研究だけでなく、放射光という加速器から放射される色々な波長の光(X線など)を使った物性の研究なども行われています。あと勿論、加速器研究の日本の総本山です。大学では加速器の研究というのはなかなか難しいので(規模の面など)、どうしても研究所主導です。最近は大学でも加速器の研究をやろうという流れがありますが、まだまだ研究所におんぶにだっこですね。

研究所というと一般の人には馴染みがないというか、足を踏み入れずらいというか、そういう面があるかと思いますが、一般公開とかもしてますし、見学にも対応してくれますので、興味のある方はぜひ1度足を運ばれてはどうでしょう?KEKのサイトはここです。前にも紹介しましたが、大々的な一般公開日というのもありますので、ぜひそういう機会を利用して下さい。

ただ交通の便が悪いです。東京からだとつくばエクスプレスで簡単につくばの中心までは行けるのですが、そこからがなかなか大変です。一般公開日には特別のバスが運行されるようですが、普段はかなり厳しいです。ローカルな路線バスを使うしかありませんが、土日だと18時前後(?)にバスがなくなってしまうくらいで、基本、車がないとなかなか不便な場所です。利用者が少ないから仕方ないというのは理解できますが、ユーザーとしてはかなり不満な点の一つです。


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