ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

私たちのグループでやってること。その2

昨日に引き続き、私たちのグループのメンバーの活動紹介です。今日はM2のIくん。

研究熱心な彼は色々なことをやっています。M1の初めは解析ソフトウェアに慣れるために、ヒッグスのある生成・崩壊過程のシミュレーション解析をちょっとやり、その後はSCTと呼ばれるシリコン半導体を使った荷電粒子の飛跡測定用検出器に関する研究を行いました。ATLAS実験ホールに搬入・設置された検出器のテストの一環として、数千に及ぶモジュール(一つのモジュールに1536の読み出し信号があり、各モジュールごとに信号の読み出しを行います)のノイズをまず調べました。粒子に対する反応でなくても、ノイズ測定によってかなりのチェックを行えます。検出器が作動していなければノイズがゼロになりますし、通常より大きければそれもまた何かの異常を意味していますので。

検出器では様々な環境データの収集も行っています。例えば、温度、湿度、シリコンセンサーの電圧、電流、などなど、信号以外にも大量のデータを常時収集モニターしています。こういうデータからも検出器が正常に作動しているかどうか判断する手がかりが得られます。これらの情報は物理データの収集時にリアルタイムでモニターして、検出器の異常を一刻も早く検出するために使われるのと同時に、検出器自体の細かい性能チェックにも使われます。そのために、常時集められたデータはデータベースに記録されていきます。

彼はデータベースに記録されたデータを集めて、先ほど説明したノイズの解析などに利用しました。ノイズというのは温度等に対して敏感なので、その効果を補正することによって、さらに細かく検出器の動作状況を理解できることになります。また、データベースからの情報をGUIで表示するためのアプリケーションの開発もしました。

そんな彼ですが、最近は修論に向けて別の研究を行っています。

昨日紹介したTくん同様、シミュレーションを用いてある特定のSUSY粒子の生成・分解事象の研究を行っています。私たちのグループの特徴としてbジェットを含む事象を用いて、SUSYの破れ方に関する研究です(SUSYというのは今の我々の世界では破れています。もし破れていないと、全ての粒子に質量の等しい超対称性粒子のパートナーが存在することになりますが、そういう質量の粒子は発見されていませんから)。Tくんの研究内容と似ていることもあり、先輩である彼がTくんにも色々教えてくれているようです。

修論提出まであと2ヶ月ちょっと。これから自分でシミュレーションデータの生成を行い、それを解析しないとならないのでなかなか大変です。ラストスパートに期待しています。


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私たちのグループでやってること。その1

昨日は例の大学のときの友人とプラスもう1人、やはり大学のときに仲のよかった友人を交えて3人で飲みに行きました。楽しい時間の経つのは本当に早いもので、あっという間に帰らないとならない時間になってしまいました。Tくん、Eくん、ぜひまた飲みましょう。

というようなに私が日々何をしているかをこのブログではお伝えしていますが、今日は私たちのグループの他のメンバーがどんな研究をしているのか紹介してみます。

まずはM1のTくん。彼はSUSY事象に関するシミュレーションの解析をしています。ある特定の生成・崩壊過程に着目して、その過程におけるヒッグス粒子の探索に関する研究です。彼の解析で使う過程ではヒッグスがb・反bクォーク対に崩壊します。その結果、ヒッグスを見つけるためにはbクォークを起源とするジェット(ジェットの説明はこのエントリーにあります。リンクにも入れておきます。)を同定する必要があります。なので、bクォーク起源のジェット(=bジェット)をいかに効率良く、間違いが少なく同定できるかが解析の鍵となります。

シミュレーションというのは現実の検出器の性能をなるべく正しく反映させるべく作られているわけですが、彼の研究では敢えてbジェットの同定性能を人工的に変化させて、得られる最終結果がどれくらいbジェット同定の性能に依存しているのか調べようとしています。この研究によって、彼の着目するSUSY事象において、bジェット同定性能に要求される性能とか特徴が見えてくる(はず)です。その結果を踏まえて、bジェットを同定するアルゴリズムや方法を彼の解析に合わせてチューンしていく、というのが次の目標となります。

次に…と思っていましたが、一人一人何をしているか説明していると結構長くなるので、1日に1人づつ紹介して行こうと思います。というわけで、今日はここまで。


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再会

予告(?)通り、昨日は大学時代の親友と会いました。

学生時代に仲良くしていても価値観は微妙にずれていて、当時は仲良くても、何年か経ったあとに話をすると、元々あった微妙なベクトルのずれが大きくなっている、っていうことありませんか?学生時代はベクトルの向きが違っていても、ベクトルの絶対値自体があまり大きくないので、その距離というのはあまり離れていません。ところが社会人になり、家庭を持ち、ベクトルの絶対値が大きくなると、結果として価値観がだいぶ離れてしまう。という説明で言いたいことわかってもらえるでしょうか?

ということで、昔仲良くて話が合ったけど、久しぶりに会うとどんな感じなんだろう、と少し心配していましたが、それは杞憂でした。学生時代から数えると10年ぶり以上(7年前に1度、それよりも前にも1度か2度会っていますが)なのに、自分でも驚くくらい話が合いました。なんというか、価値観がお互い当時のままで、相手の言うことに心から相槌を打て、相手の言うことは全部聞かなくてもすぐにわかり、本当に楽しい時間でした。

興味があるというので、大学を案内したのですが、物理とは関係ないある意味普通の社会人なのに、今も物理に興味を持っていて、各研究室の簡単な紹介ポスターを2人で熱心に見て回りました。私も自分の研究室以外のポスターをあれほど熱心に見たのは初めてでした。さらに驚くことに、今でも学生時代にやった物理の内容を結構覚えていて、彼の優秀さを思い知りました。

しかし、楽しい時間というのは本当に過ぎるのが早いものですね。あっという間に1日が過ぎ、相当話したのですが、それでも話し足りないくらいでした。明日もう1度会うのですが、それよりも遥か先、自分が彼の住んでる地方を訪れる計画をすでに考え始めています。実現できるといいのですが。


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旧友・親友

昨日のエントリーで書いた通り、プラズマレーザー加速について勉強しているのですが…ヤバいです。火曜日の発表に間に合わせるのがだいぶツライ状況になってきました。なぜ火曜日の発表なのに今焦っているかというと、明日はほぼまる1日予定が詰まっているからなのです。

明日は、大学時代に最も仲の良かった友達と(たぶん)7年ぶりに会うことになっています。ずーっと前のエントリーにも書いたのですが、彼は原子核理論を専攻していて、私なんかより遥かに優秀だったのですが(優秀だったからこそ?)博士を取得してすぐに一般企業に就職しました。優秀なだけではなく非常に親切で、デキの悪い私にもよく勉強を教えてくれました。

私が日本に戻ってきたのが2年ちょっと前で、ずっと会いたいと思っていたのですが、お互いわざわざ尋ねて行くのは難しくて再開が実現していませんでした。お互い出張でもないと遠出できませんが、彼の住んでいる場所は、私の研究ではなかなか出張する機会のない場所なのです。そんな彼が来週神戸に出張で、そのついでにうちに立ち寄ってくれることになったのです。

ということで、1日中飲むことが予想され、その後もおそらく燃え尽きているでしょうから仕事は無理。なので、今焦っているわけです。って、そう言いつつこうしてブログを書いてるわけですから、そんなに忙しくないし、焦ってもいないのかもしれませんね。


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レーザープラズマ加速

来週火曜日の研究室ミーティングでの文献紹介の準備を進めています。やりたいことが幾つかあって迷ったのですが、結局、タイトルにあるレーザープラズマ加速というものについて紹介することにしました。そういうわけで、今は色んな文献を調べている最中です。

ここでも、ちょっとだけ説明してみます。

まず加速器の非常に簡単な説明をすると、今多く使われているのは、金属製の加速空洞と言われる物の中に高周波の電場を入れます。イメージとしては、sinでもcos曲線でも構いませんが、波が加速空洞内を進んでいると思って下さい。加速したい粒子をその加速空洞の中に入射すると、上手く波の周期に合った粒子たちが波に乗って加速されるわけです。なので加速空洞で加速された粒子は連続的に分布しているのではなく、加速する波の周期にあった粒子群(バンチと呼びます)となります。例えばLHCだと25ナノ(0.000000025)秒ごとに粒子群が飛んできます。

私たちの実験では高エネルギーの粒子が欲しいので、ある一定の長さの加速空洞で加速される量が大きいほど嬉しいわけです。LHCのような円形加速器では、同じ加速空洞を何度も何度も周回して繰り返し加速することが可能なので、今書いた加速できる量というのはそれほど(あくまで後で述べる話との比較問題です)致命的ではありませんが、線形加速器と呼ばれる直線型の加速器だとこれは大問題です。1回きりしか加速できないので、一定の距離で沢山加速できないと、加速器自体が莫大な長さになってしまうからです。土地の確保、加速器を収めるトンネル工事、施設の巨大化などなど、実際の建設ではコストが跳ね上がってしまうからです。例えば、ILCと呼ばれる次期巨大加速器計画では、長さ約30kmの直線衝突型加速器を建設したいと考えています。

そこで、一定の距離で加速できる量を増やそうという努力がされていて、現在では1mでオーダーとして30から50MVの加速勾配を生成することが可能です。って言われてもピンとこないかもしれませんが、これって凄い数字です。1mの間に5000万ボルトもかかってるわけですよ。1cmの間で50万ボルト、1mmで5万ボルトです。よくそんな高電圧をかけられるもんだと思います(交流と直流の違いとかはとりあえずツッコマナイで下さい)。でも流石にそれ以上の加速勾配というのは難しくて、それよりもオーダー上げるためには全く別のテクノロジーが必要と考えられています。

そこで登場するのが今一生懸命勉強中のレーザープラズマ加速という方法です。

この方法では加速空洞を使わず、粒子を加速する媒質としてプラズマ状態のガスを使います。プラズマにレーザーを入射すると(レーザーでなくても粒子ビームでも同様のことができます)、プラズマ中の電子に疎密波が生成されます。あ、プラズマというのは中性物質が電子とイオンに電離した状態のことを言います。イオンは電子に比べて重く、動くのが遅いので、私たちのように光速に近い粒子の運動を考えるときには、イオンは止まっていると思ってその寄与は無視します。

イメージとしては、プラズマ中のたくさんの自由電子にレーザー、あるいは粒子ビームで衝撃を与えると、プラズマ電子が吹き飛ばされて密度の低い部分ができ、次に密度の低くなった部分に周りからプラズマ電子が流れ込む…という過程の繰り返しで衝撃を与えるためのレーザーの進行方向にプラズマ電子の密度の濃い部分と低い部分が周期的に生成される、と言った感じでしょうか。電子の密度の低い部分と高い部分があるということは、電位差が生じているわけですから、そこに加速したい粒子を入射すれば、その疎密波の電位差によって加速されます。

この加速方法の何が凄いかというと、何年か前に夢のビームと紹介されたくらいで、加速勾配が1mあたり1GV(=10億V)を超えています。今調べている文献によると最近では10GV/m程度まで進んでいるようです。驚異的です。その勢いならILCが全長1キロとかで出来てしまいますから。ははは。

そういうわけで将来的に非常に興味のある研究分野で、自分の勉強も兼ねて研究室の人々に紹介しようと思い立ったわけです。が、もちろん、実用化にはまだまだ程遠く、クリアすべき課題が山ほどあります。1メートル当たり10GVと言っても、それは単に1メートルに換算したときの話で、実際に粒子が加速される距離がcmオーダーの話なので、純粋に加速されるエネルギーというのは100MeV程度だったりしますし、加速空洞のように複数の加速装置を直列に並べて、同じ粒子群を複数回加速させるのも難しいようです。他にも無数の問題があり、数十年先にやっと実用化されるテクノロジーではないかと勝手に思っていますが、研究するのは面白そうな分野です。


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今日の実験

本日金曜は例によって工学部1年生相手の物理学実験です。先週までは練習期間ということで、本当に初歩の初歩のトレーニングでしたが、今週からは少しだけ本格的な実験になります。私の担当は力学ということになっていますが、実際には力学と放射線計測です。1週目はBordaの振り子を使っての重力加速度の測定、2週目は放射線源を使って放射線強度の距離依存性や、物質の透過力を調べるというものです。

Bordaの振り子の詳細はググって調べてもらうとして、一言で言うと単振り子の周期と振り子の長さの測定から重力加速度を測定するのですが、簡単な測定から以外と精度の良い値が出るのには驚きました。と言ってるくらいなので、私自身Bordaの振り子を使った測定をするのは初めてです。人から以外と精度が出るとは聞いていましたが、大抵の実験グループで相対誤差0.01%くらいまで抑えられていました。B簡単な測定で精度よく測定できるからこそこの方法が有名なわけですが、いや、Borda恐るべしです。

先週金曜のエントリーで授業が面白かったという話を書きましたが、私の日頃の行いがいいのか(?)、今回も非常に楽しい授業でした。残念ながら、私のことをかっこえぇと言ってくれる女子学生はいませんでしたが、長い授業だったにもかかわらず、ずっと盛り上がりました。測定のやり直しをさせたグループも幾つかあったのですが、文句をあまり言わず、楽しそうに実験してくれたのは、教えている側としてはやり甲斐がありました。

先週の考察では書いていない、なぜ盛り上がるのか、という考察ですが、今回感じたのは、漫才や落語同様、やはり最初の掴みの大切さです。今回別に面白いことを言ったわけではなく、本人としては普通に「今日の授業はうんぬんかんぬん…」とイントロダクションを言ったつもりなのですが、なぜか学生にバカウケで、瞬間雰囲気が変わりました。それからは何を話しても、ウケるというのとは違いますが、興味を持って聞いてくれているのを感じました。掴みのつもりで面白いことを敢えて言っても全然ウケないこともあるし、なぜか今回みたいにウケることもあるし…喋りって難しいですね。噺家さんに稽古でもつけて欲しいものです。


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これから会議とゼミ

特に書くことを思いつかないので、今日の今までを振り返ってみます。

朝オフィスに到着後、メールをチェックし必要があるものには返信。あるいは朝イチで回さなければならない案内等を発送。メールを送るにあたって、調べたり確認しないとならないことがありますので、こういう作業で約1時間。その後授業の最終確認に約30分。そして授業です。で午前中終了。

午後は昼飯の後、今までのだいたいの時間を来週以降の授業のための準備に費やしました。その他に人と会ったりもしましたが、まあ、ほとんど授業準備です。

そしてこれから教室会議。物理学専攻の教授と准教授から構成されるメンバーで、一言で言うと運営に関する会議です。この会議が終わるのが大体19時前で、今日はその後に研究室の修士の学生とのゼミがあります。前期はY教授がやって、後期は私が担当なのですが、10月中はなぜか一回も行われず、先週から再開されました。本来ならもう少し早い時間にやるのですが、学生と私の都合があわず、今週はこんな時間にやることになりました。

ATLAS実験関係のミーティングが日本時間の午後に多いこと(CERNでは朝になるので、公約数的な時間帯なわけです)と、午後丸々潰れる実験の授業を担当していることから、私は午後の自由度が小さいのです。逆に朝9時とかだと、学生がそんな時間には来ていないのでやはりダメ。ということで、時間調整がなかなか難航しています。

ということで、今から会議に行ってきます。



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グリッドその後のその後

グリッドが先週末再び使えるようになりました。この話はすでに3度目になりますが、結局問題解決までに2週間近くかかりました。って、ほとんどの時間はATLASの担当者のレスポンス待ちだったわけですが…(催促のメールも何度か送った)。

その遅さにはイライラするわけですが、少し冷静に考えると、こういうのはヨーロッパ人(フランス人か?)の考え方が端的に表れているのかもしれません。何でも自動化するのが好きで、そのシステムが思惑通り動いていれば(まあ、動いていることがないのですが)、なかなかに斬新な良いシステムだったりします。例えば、CERNでの安全講習というのは完全に無人で、人と接することなく教育ビデオを見せられ、ウェブ上でテストを受け、最終的にいつの間にか安全講習をパスしたことになります。人員削減にもなるし、合理的なシステムなわけです。でも一旦トラブルが起きると、教育ビデオはすでに見ててもデータベース上で見たことになるまでに何日も待たされる、という今回の私のグリッドの話と同じようなことが起こります。で、繰り返しますが、その頻度が高いのです。おっと、それは話のポイントではないですね。

そういうわけで、自動化、合理化が好きで、トラブル対処みたいなつまらない仕事にはあんまり人員を割いていないのかな、なんて思います。つまらない仕事をするより、クリエイティブな仕事に人を充てたほうがいいと考えているのかもしれません。一緒に研究してても、同じことを感じます。例えばソフトウェアの開発なら、面白そうなアルゴリズムの開発はみんな一生懸命やりますが、実際に使うためのデバッグ(そっちのほうが10倍も時間がかかる大変な仕事なわけですが)はほとんどしないというタイプの人が多いです。

さて、そんな苦労をして再び使えるようになったグリッドですが、何をしようとしているかというと、もちろんグリッド上にジョブを投げようとしています。私たちのグループの研究員の人が、bquark起源のジェットを同定するソフトウェア関係の仕事をしています。大勢の人によって開発されているのでソフトウェアその他が頻繁にアップデートされます。そこでソフトウェアそのものにバグがないか、あるいは新しいアルゴリズムで性能が劣化していなか、等々を日夜モニターしていかないとなりません(この作業をvalidationと呼びます)。どっかにバグがあると、それが別のソフトウェアに影響を及ぼすという連鎖もありますし、解析をしている大勢の人にも影響を与えてしまいますから。

そこで、毎週のようにvalidation用データ(=シミュレーションデータ)というものが生成されるので、それを使って性能評価を延々と行います。これはbquak起源のジェット同定用ソフトウェアだけでなく、無数にあるソフトウェアに対して作業分担で行われています。今は研究員の人が一人でbquark同定ソフトウェアのvalidationを担当していますが、ゆくゆくは私たちのグループで担当しようと考えており、そのために私や他の学生も性能評価のためのプログラムの走らせ方を練習しています。validation作業では、短期間にわりと大量のデータを処理しないとならないので、どうしてもグリッドを使う必要があります。というわけで、グリッドと格闘…ではなく、担当者に早く登録して欲しかったわけです。

今日はその作業を行い、珍しく研究関連の仕事をした気がします。


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イベント盛り沢山

今週は研究以外でイベント盛り沢山の週です。

昨日はミーティング2つ。1つは新しいタイプのシリコン検出器(光センサー、あるいは荷電粒子の検出器として使える)開発に関するミーティング。実験家にとっては、物理だけでなく、検出器開発というのも重要かつ興味あるテーマで、私のグループではATLAS実験だけでなくシリコン検出器開発にも携わっています。とは言っても、私自身が手を動かして何かやる時間は全くなく、マスターの学生が大車輪の活躍でプレゼンスを発揮しているのですが…。もう1つは私のグループの学生、研究員の人との週刊ミーティング。各人がやっていることを確認し、これからの予定などを相談します。私にとっては最重要ミーティングで、他のミーティングはよくすっぽかしたり、すっかり忘れてしまうこともあるのですが、このミーティングだけは流石に忘れませんね。

今日は午前中が研究室のミーティング。そして午後はATLAS実験に参加している西日本の大学との合同ミーティング。昨日の2つも今日の2つもそれぞれ2時間超のミーティングなので、それなりに時間を取られます。

でもって明日もまた別のミーティング。木曜はさらにヘビーで、授業、大学の教室会議、そして自分の研究室所属の学生とのゼミがあり、ほぼ1日飽和状態。金曜は午後丸々潰れる授業の実験…というように冒頭で書いたようにイベント沢山の週です。

来週の研究室のミーティングでは私が論文紹介に当たっているのですが、授業の準備も例のごとくあるわけで、論文を読んでまとめる時間が作れるのか心配です…。逃避行動の多くなりそうな1週間です。


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先週金曜のエントリーに関連した話

先週金曜のエントリーを書いたときに考えていたこと、もっと書こうと思っていたことがあります。今日はその続きです。

活性化のために、女子学生、あるいは女性の研究者を理科系業界ではもっと増やすべきだ、というアイデアは斬新ではありません。どういう業界でも今はそれを考えてますよね。そもそも、産業界というか商業界では基礎の基礎と言ってもいいくらいの発想で、女性を集めることにより結果として集客力を上げようとする発想は色々な場面で見られます。百貨店のトイレが綺麗、あるいは子供連れに便利なのはその戦略の一番わかりやすい例かもしれません。

あと、女性の嗜好や興味というのは、子育てが母親中心で行われている現状では父親のそれより子供に影響を与えてませんかね。女の子の趣味や嗜好なんて母親にそっくりだったりしませんか。というようなことから考えても、女性にアピールしない産業、分野というのはなかなか成長しずらいと思うのですが、悲しいかな理科系研究の中でも物理というのは、一番女性の比率の少ないジャンルです。勝手な思い込みですが、女性比率は文科系>>生物>化学>物性物理>素粒子物理ではないでしょうか。

こうなっている現状分析はさておき(本当はそこから始めないとアイデアが生まれないのかもしれませんが、今ここで書くと長くなるのでやめて)、どうしたら女性に物理学をアピールできるのか、結構真面目に考えるのですが、当然(!)全然アイデアが浮かびません。そもそも女性の多い環境だと、女性からの意見を聞いてアイデアにいかせますが、私たちの環境ではそういうリサーチのチャンスが非常に少ないです。ダメな方向へのループに入ってしまうわけですね…。何かいいアイデアないですかね。

数少ないであろう奇特な読者のみなさん、何かアイデアがあったら教えて下さい。良いアイデアでなくても、しょーもないアイデアでも、否、単なる意見でも何でもいいので、コメント募集です。人に見られるのはちょっと、という方は非公開のコメント、あるいは私(atlas.osaka@gmail.com)に直接メールを送ってもらってもかまいません。よろしくお願いします。

そういう自分自身のしょーもないアイデアの一つなんですが…物理屋の人も、服装というか、身なりに気をつけたほうがよくないですかね。。前にも書きましたが、学会会場へ進む人たちの群れは、物理屋以外の人が見るとかなり怪しいと思われます。トイレを綺麗にするのと同様、本質ではないところでも、人を惹き付けるには外見も重要ではないですかね。中身で勝負というのは正しいでしょうが、自分らの業界を一般の人、特に女性にセールスするという観点からは、見た目も考えたほうがいいんじゃないかなぁ、と真面目に考える今日この頃です。

えっ?まずはお前のいかつい外見を何とかしろ?…いやー、でも、この前の授業では女子学生に少なくともウケてましたから。ははは。

そうだ、一つ良いアイデア実は持ってます。「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子に頼んで今度は音楽家ではなく物理学者の話で漫画を描いてもらう、というのはどうでしょうか?なんで二ノ宮知子かというと…実家が同じ町内で中学校のとき同じクラスだったことがあるからです。確か年賀状を貰ったこともあると思うのですが、向こうが自分のことを覚えているかどうか定かではありません。なんだ、じゃあ頼めないですね。ははは。

しかし、二ノ宮知子。ビッグになりましたねー。中学生当時から漫画・イラストは凄く上手でした。「のだめ」の前から彼女が漫画家として活躍してることは知っていて、中学生当時の思い出から彼女が漫画家になったことは合点がいっていました。が、繰り返しますが、「のだめ」のヒットは本当に強烈ですね。「のだめ」の大ファンの妻は、中学生のときの同級生だったことを教えると、なんで連絡を取らないのかと勝手に興奮してました。
…有名になると友達やら親戚が増えるという話ありますよね。そういう友達の一人になるのが怖くて連絡取れません。


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箕面

昨日は家族で箕面という近所の観光地へ行って来ました。基本的には滝があるだけ(だと思ってるのですが、他にも何かあるのかもしれません)なのですが、今みたいに紅葉シーズンだと大阪中心部から近いこともあって、とてもにぎわっています(関東地方の人だったら、プチ日光と説明すればわかりやすいかもしれません。ただし本当にプチです)。昨日も、紅葉のベストタイミングには1、2週間早かったですが、それでも物凄い人でした。

先週は研究室旅行で約8キロの山道のハイキング、今週は子供を連れて滝まで6キロ弱の散策、ということで、非常に健康的な生活になっています。まあその分仕事量が減っていますが…。

箕面には野生の猿がいて(これも日光に似てますね)、人が歩いてる横をすり抜け食べ物を狙って来たりするのですが、昨日くらいの物凄い人出だと流石に猿には出会わないかな、と思っていました。ところが滝からの帰り道、私たちが歩いている本当にすぐ横に1頭現れました。私がすぐに気づいたので私たちは猿をよく観察できましたが、他の人たちはなかなか気づかないので教えてあげたいくらいでした。結局、他の人たちが気づいたのは猿が、道の横を流れる渓流をさっそうと渡り始めたときでした。

そういうわけで、野生の猿の名所でもあるのですが、笑ったのは…
うちの子供は非常に活発でその辺の木に登ったり、壁や岩に登ったりと、普段から妻と私から猿のようだと言われています。昨日も道から渓流に降りようと(彼にとっては)崖を懸命に降りていました。すると近くにいた人から「わっ、猿。かと思ったら子供やった。」と言われていました。本当に猿だと思ってビックリしていたようで、それをすまして聞いていた私は大爆笑でした。うちの子供だと教えてあげようかと思いました。しっかし、本当に猿みたいなんですよね。しかも私同様坊主頭なので、幼い子供の坊主頭は余計に猿に見えたんでしょうね。

そうそう、滝へ行く途中に昆虫館があって、そこにも立ち寄りました。メインは数多くの蝶が飼育されている大きな温室です。人間もそこに入れるので、身近で蝶を楽しめます。他にも世界各国の綺麗な蝶やクワガタムシの標本があったり、生きている色んな昆虫を見ることができます。外国のクワガタムシとか、松虫とか、色々楽しめるのですが…ゴキブリがたくさん展示されてるのは驚きでした。日本にいるのから、外国産の超巨大ゴキブリたちの展示まで、とにかくゴキブリの展示の多さに驚きました。でもって、昆虫が展示されているのはガラス張りの部屋で、その部屋の中の水槽に色々な虫が展示されているのですが、ガラス張りの部屋の中にゴキブリホイホイがたくさん置いてあるのを私たちは見逃しませんでした。展示しているゴキブリが逃げるのを防いでるんでしょうかね。

しかし、夢でうなされそうなくらいデカいゴキブリたちでした。外国産は。私は虫は全然苦手ではないのですが(日本にいるゴキブリなんて全く問題ありません。唯一の苦手はカメムシくらい)、それでも衝撃的でしたから、虫の苦手な人はさぞかし…って、そういう人は最初から昆虫館なんて訪れませんね。ははは。


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今日の授業

午後は工学部の1年生相手の物理実験の授業だったのですが、いやー、楽しかった。まず、教室に入って実験内容を説明するためのトラペやらOHPを準備していると、最前列に座っている女子学生から「先生かっこえぇ」という耳を疑うようなコメントが…。お調子者の私はもう舞い上がります。その後に「ピアスが」という一言もあったのですが、そこは耳から脳味噌へ行く間にfilteringされて、脳味噌には「かっこえぇ」という関西弁だけがインプットされました。ははは。

と、最初から気分よくなった授業ですが、実験も非常に盛り上がり、学生も私も楽しんで実験をすることができました。内容は1年生相手の基礎的な実験の中でも、さらに基礎実験と呼ばれる内容で、具体的には発信器あるいはマイクからの信号を入力として、オシロスコープの使い方をマスターするのが目的です。授業の最後に学生一人一人にオシロスコープを操作してもらい、滞りなく操作できたら合格で帰ってよい、というスタイルです。

オシロスコープの使い方を説明したり実際に操作してみせるのですが、今回は質問も多いし、何かをやってみせたり回答したときの学生の反応が非常に良くて、教えている側の私にとって非常に楽しいものでした。今回に限らず、盛り上がって楽しい授業というのが年に数回ありますが、その理由を少し考えてみます。

1番大きな理由と思われるのは、学生側の理由。私は同じ実験を担当しているのですが、学生は週ごと、あるいは2週で1つのテーマの実験を行います。私にとっては毎週のように違うクラスを相手にしているわけですね。で、それぞれのクラスにムードメーカー的な明るい学生がいるわけです。想像できるかもしれませんが、多くの場合、今時の若者で、真面目に勉強一筋というのとは違うタイプの学生がそいう役回りだったりします。そういう学生(達)が興味をもってくれたときは、やはりクラス全体が盛り上がって実験に取り組みます。今日の授業でも、そういう明るい学生がオシロの使い方を瞬時にマスター理解してくれたおかげで、クラスの雰囲気が明るくなりました。また別の学生ですが、明るい学生というのは積極的に質問をしてくれるので、他の学生に対する教育効果も高くなります。

そしてもう一つ学生側に盛り上がるかどうかの原因があると思われます。1年生相手の学生実験は今年で3度目なのですが、各クラスの女子学生の比率と授業の盛り上がり方には、強い相関関係があります。いや、定量化できないので、あくまで私の感想なのですが、他の教員に聞いても似た意見を聞きます。2人あるいは3人で一つの班を作って実験をするのですが、女子学生がいる班といない班でも盛り上がりに違いがあると感じられます。単なる感触ですが、あまりに強い相関を感じるので、その相関をなんとか定量的に算出して、授業を盛り上げるために、もうちょっと真面目に言うと授業の習熟度を上げるために、理科系の入試の基準を男女で変えたらどうかと提案したいくらいです。…なんてことを大声で言うと、各方面から怒られてしまうのかもしれませんが。でも、それくらい違いを感じます。

今度は逆に私の問題について考えると、私のテンション、あるいは緊張度、というのも授業の盛り上がり方に影響してるのかもしれません。例えば研究に関して、他の共同研究者と熱い議論になった後にイライラしてるとか、解決できない問題があってそれが気になってるときとか、精神的に微妙に安定していないときもあります。表面的にそれが表れるほど精神的に不安定ということはありませんが、それでも本人の中では微妙に精神状態の揺れというのはあります。あと最初の数回の授業では、初めて担当する実験だと進め方がまだ自分の中で確立されてないので、緊張してるということもあります。そういうわずかな精神的なブレも授業の盛り上がりに影響あるのかもしれません。プロフェッショナルとしてはそういうことを避けなければなりませんね。一応は気を遣って、授業の前はイライラすることや自分の不安をかき立てる可能性のあることはなるべくしないようにはしているのですが。

ということを書いていて思ったのは、突然ですが、私はかなりの将棋ファン、いや将棋マニアです。自分で将棋を指すわけではなく、プロの将棋を観戦するだけなのですが(何かのファンって基本的に観戦ファンですよね。野球ファンと言うのは自分で野球をするわけではなく、野球を観るファンが多いですよね。それと同じです。)、強い人というのはやはり精神的にブレがないんですね。1回の対戦を見ても、長期に渡る成績を見ても、強い人は精神的に非常に安定している感じがします。まあ、将棋に限らず勝負事ってそうですよね。冷静沈着さを失ったら負けというか、あるいは失敗したときに、それを引きずらず気分の切り替えができるとか。そういう精神的なブレのなさというのは実は研究生活でも重要だと前から思っていましたが、最近は授業でもそういう精神的な太さが必要だなぁ、と感じるようになりました。

最後に、懸命な、いや私をよく知っている方はこういう感想を持ったかもしれません…女子学生が多いと単にお前のテンションが高いんだろう、って。ですが、そういうことはないと自分では思ってますし、仮にそういう効果があったとしてそれを差し引いても、女子学生の比率と盛り上がり方には相関があるように思えるんですよ。


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ATLAS近況

ATLAS実験の状況について最近書いていないので書こうと思うのですが…あんまりネタがないんですよね。

加速器のほうは修理やら調整をしているのでしょうが、LHCみたいに大きな実験だと加速器と実験サイドであまり(ほとんど?)交流がないので、加速器の状況を詳細に追っていくのは実は難しかったりします。って、前も同じようなこと書いたことありますが。

実験サイドはというと、各検出器グループで修理やら細かい調整作業を相変わらず行っていますが、これと言ってネタになるほどのニュースがありません。他の検出器の細かいスケジュールは知りませんが、私の関係あるシリコンストリップ検出器は今月一杯くらいでテストやらデバッギングを一時中止して、12月初めか中頃から2月初旬(?)くらいまでは電源をオフにしてしまうことになりました。さすがヨーロッパ人、長いクリスマスホリデーですね。まあ、実際にはその間もソフトウェアの開発整備は行いますが。

シリコンストリップの電源を再び入れるのは2月中旬くらいを予定しています。3月一杯くらいは各検出器ごとのコミッショニング、4月に検出器全体のコミッショニング、というのが大まかな予定のようです。噂ではビームがLHCに入るのは5月になるらしいので、それを目指したスケジュールに実験サイドもなっています。


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GPS

突然ですが、普通の生活をしていて、相対性理論を応用した電気製品ってすぐに思いつきますか?それも特殊相対論ではなく、一般相対論。

一言だけ説明しておくと、特殊相対論というのは、質量や長さ、時間が速度に依存してる云々かんぬんというやつです。光速に近づくと質量が無限大に近づくとか(この効果のために粒子を光速近くまで加速させるのが難しいわけです)、高速で移動してる系では静止系とは時間の進み方が違うとか、そういうのです。一般相対論というのは重力の理論です。重力によって空間が歪められるため、非常に重い物体の近くでは光が曲げられる(重力レンズと呼ばれる効果で、質量の大きい銀河の向こう側に星があった時に星が歪んでみえたりします)云々かんぬんという話です。

特殊相対論の効果は人工衛星くらいの速度でも見えてきますので、日常何に使われているかすぐに思いつかなくても、使われていること自体にはそれほど驚きはありません。が、一般相対論の効果を使ってる日常品(?)ってあるんですね。

…長く引っ張りましたが、GPSは一般相対論による、つまり地球の重力による効果を位置測定の補正に使っているんだそうです。

GPSの簡単な原理を説明しておくと、3つの人工衛星からの距離を測定することにより対象物の場所を決定します。3つ測定があれば、3次元的な位置を決定できますよね。人工衛星からの距離の測定というのは原理的には極めて簡単で、人工衛星は距離測定のための信号を発信し、測定される側はその信号を受信し、双方その時刻を原子時計などを使い精度よく決定します。距離はその時刻さ×光速となります。

人工衛星は特殊相対論の効果が見える速度で移動してるので、その補正をしてることはそうだろうなという感じです。驚きなのは地球の重力場による信号到達距離の補正なども入ってるんだそうです。いや、ビックリですね。ちなみに補正量は1日で1万分の1秒もあるそうで(嘘かもしれないので、興味がある人は自分で調べて下さい)、光速をかけると1日で30kmもの補正になるそうです。

アインシュタインも一般相対論を考えたとき、それがまさか日常生活で使われるとは思っていなかったでしょうね。


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社会復帰

昨日までの3日間は研究室旅行で奈良県の山奥に行っていました。研究室旅行は毎年恒例で、今年はハイキングとカートがメインメニューでした。去年はパラグライダーの体験とカート、その前の年はラフティングとペイント弾を使ってのサバイバルゲーム(?)、というように非常にアクティブな旅行です。

去年、今年と続けてやったカートは人気の高いコンテンツで、私も非常に楽しみました。が、研究室旅行の醍醐味は何と言っても学生との飲みでしょうか。例年ここで各人の個性が発揮されたり、キャラが作られたりするようです。今年はTくんのキャラが見事確立しました。面白いネタを提供してくれたTくん、ありがとう。(それから、運転手の皆さんと幹事の人お疲れさまでした。)

今回泊まったのは2泊ともキャンプ場で、ネットワークはおろか、布団もなしで寝袋を借りて寝ました。そういうわけで3日間完全にオフライン。今日から社会復帰です。


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グリッドその後

数日前に書きましたが、グリッドの認証で悪戦苦闘していた話のその後です。

結局自分では解決できず、KEKの管理者の人に助けてもらい、古い認証を復活させるのは諦めて、新しい認証を手に入れました。SOSメールをとある人に出してから新しい認証を手に入れるまでは数時間。SOSメールを出した人が管理者に連絡を取ってくれて、その管理者の人に私は助けてもらいました。

これだけではグリッドというのは使えなくて、新しい認証なのでその認証をATLAS実験グループのとある所へ登録しないとなりません。この登録申請をしてからすでに3日経ちますが、未だに登録されません。登録申請自体は別段変わったプロセスではないのですが、CERN標準速度で、日本なら数分、数時間ですむ話が数日というオーダーになります。

毎度のことですが、物事の進む速度の国依存性はホントに大きいです。初めてアメリカで研究したとき驚き、CERNに行って驚き、今は驚きませんが、やっぱり慣れることはできません。

明日から3日間ネットワークなしの生活になります。次の更新は速くて月曜の深夜。たぶん火曜日でしょう。


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飛行機の中で見た映画

すでに書きましたが、先週スタンフォードへ行ったときにはJALを使いました。国際線でJALを使うのは多分2回目くらいなのですが、やっぱり日本の航空会社はサービスが良く、これからCERNへ行く時はJALを使おうかと考え始めているくらい気に入りました。

特に気に入ったのが、映画を中心としたエンターテイメントです。映画の本数も非常に多いし、映画以外にも色々な番組があるし、ゲームも豊富で驚きました。機中でほとんど寝ない私にとって、退屈しのぎに困らないくらい充実していました。さらに、一番気に入った点は、タッチスクリーンではないコントローラーが着いていることです。これまた前に書きましたが、タッチスクリーンなのに、プッシュ、あるいはヒットスクリーンと勘違いしてる人が多く、後ろから座席をガンガン押されるのが嫌いな私にとっては、リモートコントローラー万歳です。これは使用機材のせいなのかもしれませんが(ボーイング777はリモートコントローラ、エアバス340-600はタッチスクリーンが多いと感じています)、それも含めてこれからJALにしようか迷っています。

ちなみに、エアバスよりボーイングのほうがだいぶ速いですね。日本からヨーロッパへ行くときは、30分から50分くらいはエアバスのほうが速いようです。逆向きは追い風で20分くらいしか差はないようですが…。これらの数字は運行表を見て比べてるのですが、実際どれくらい違うんでしょうね。自分の経験則的には、確かに30分くらいは違う印象を受けています。燃費がエアバスのほうがいいのかもしれませんが、窮屈なフライトを少しでも短くしたい客の意見としては、やっぱりボーイングが嬉しいです。ビジネスクラス(以上)だったら30分くらいどうでもいいんでしょうけど…。

おっと、今日書こうと思っていたのは、フライト中の映画の話です。

私は非常に感動しやすい質で、非常に涙もろいんですね。しょうもない映画を観ても涙ぼろぼろになって、映画が終わっても恥ずかしいのでなかなか席を立てません。そんな私が今回は「ラストゲーム最後の早慶戦」というのを観たのですが、これが泣かせる系の映画で、そうではない映画でも泣いてしまう私なんて、もう涙を流すだけでは足りず、鼻水まで流すほど泣いてしまいました。鼻をかみながら目をウルウルさせてる強面系の私は相当怪しかったでしょうね。ははは。

しかし、いくら涙もろいとはいえ、「最後の早慶戦」だけでなく「電車男」でも泣いてしまうというのは…ちょっとヤバいですね。(今頃電車男観たのですが、ヒロインが神様のようですね。)


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霧箱

今日の午後は授業で、1年生相手の実験でした。2種類の実験(どちらも1年生相手)を担当していて、金曜は工学部あるいは基礎工学部対象の真面目な、と言っては変ですが、まあ物理実験の初歩をきちんと学ぶための実験です。高校までではやったことのない誤差の取り扱いがあったり、レポートを各テーマごとに提出したりと、内容は易しくともプロを目指す初歩を学びます。これに対して本日水曜日の実験は理学部全員が相手で、物理の実験なのですが、とにかく(物理学科の学生以外に?)物理に興味を持ってもらう、というのが目的の実験です。科目名も自然科学実験と言い、学生は物理だけでなく、化学、生物、地学(と数学?)の実験もやります。誤差の議論はないし、レポートもなし、ということで高校までの実験の延長みたいなものです。

私の担当は今年は放射線で(去年は振り子で地球の重力加速度を測定)、霧箱を使ったアルファ線の観察と、半導体検出器を使った放射性物質(と分類されないくらい、自然界に存在するくらい弱い放射線源)からのβ線の計測などを行います。半導体検出器を使った計測というのは、与えられた検出器を使って単にβ線の透過力などを測定するだけでなので、特別面白い実験というわけではありません。がっ、霧箱のほうは個人的には面白いと思っています。

密閉した透明な容器の中にアルコールで浸したスポンジを入れ、容器の底をドライアイスで冷やします。容器の中にはアルファ線源も入れてあり、アルコールの過飽和状態になった容器の中でアルファ線が飛ぶと、アルファ線が空気分子中の電子を飛ばしてプラスのイオンを作ります。このイオンを核としてアルコール水滴の雲ができます。飛行機雲と同じ原理ですね。飛行機雲の場合は、水の過飽和した上空で、エンジンからの排ガス中の分子などが核になるわけです。こうして、アルファ線の飛跡に沿って白い雲が見えます。放射線が飛んでいるのを実際に目で観察できるわけで、有名なのかもしれませんが、この実験の目的のように物理に興味を持ってもらう、という意味では面白い実験ではないでしょうか。

しかし、アルファ線源としてキャンプ用のランプの芯が使えるというのは知りませんでした。ホント色んなところに放射性物質ってあるんですね。まあ、無茶苦茶線量は弱いわけですけど。


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認証

今日はGridの認証システムと戦っています。いや、別にハックしようとしてるわけではないのですが、ふと気づくと自分のアカウントが期限切れなんです。1ヶ月ちょっと前に更新したはずなのに…。

そもそもGridの認証は複雑でユーザーとしては使いこなすのが非常に面倒です。一旦手続きを済ませれば使うこと自体は面倒ではないのですが、最初の手続きは頭痛がするほど面倒。かつ年1回の更新もそれなりに面倒です。後者は1回ならそれほど面倒ではないのですが、年1回というのが曲者です。しょっちゅうやって慣れてしまえば大したことないのですが、なにせ年1回。毎年1から始めるようなものです。インストラクション探しから毎年やるのは正直ちと苦痛です。今回は、その苦痛を乗り越えたと思っていたのに実は乗り越えていなかったというわけで…相当フラストレーションがたまっています。まあ我慢して解決方法を探るしかないのですが。

にしても、今は色んなものに認証システムがあって、大抵はパスワードで保護されてるわけですが、その数はハンパではないですよね。仕事で計算機を使っていなくても、銀行預金、オンラインでの買い物、普通に生活しているだけでも無数のパスワードが必要ですし。しかも、そのパスワードの更新を頻繁に要求されたり、既存の単語の組み合わせは使えなかったり。当然それらを覚えきれるわけがないので、私は紙に書いていますが、世間の人はどうしてるんでしょう。やっぱり紙ですかね。

パスワードで思い出しましたが、「フェルマーの定理」(だったでしょうか?)を書いたサイモン・シンの「暗号解読」は面白い本でした。今頃言ってどうする、という話ですが、彼の本は面白いですね。著者略歴を見て思ったのですが、彼はCERNで働いていたことがあるんでしょうかね。CERNとは書いてませんでしたが、ジュネーブ郊外の研究所で働いていたことがあるとかなんとか、書かれていたような気がします。記憶違いでなければ。


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帰国

昨日の夜、無事帰国しました。帰りはジェット気流が向かい風になるので、行きのフライトよりも1時間半(?)くらい長いフライトになりましたが、それでもやはりCERNへの(からの)移動に比べるとだいぶ楽でした。なんで体感の楽さがこんなに違うのか不思議です。

向こうを出発する前日は、Belle実験のときの同僚で今はSLACで働いている人の家に招待されて楽しいひとときを過ごしました。私以外にもBelle実験時代の同僚数人とKEKの理論の方が招待されて、さながら同窓会でした。久しぶりに会う人々と気兼ねしない話ができて本当に楽しかったです。そういう機会を作ってくれたSくんには感謝です。

今日は出張の疲れを取るべく、家でダラダラと過ごしていました。子供と久しぶりに遊んで、だいぶ疲れがとれました。出張の計画を立てたときは、出張から帰った翌日、すなわち今日が祝日だということに気づいていなかったのですが、出張から戻った次の日に休むことができるのはいいですね。やはりすごく楽です。CERNから帰国するときは関空に朝着き、その日の昼過ぎから大学で働くのですが、それに比べると天と地の差です。


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