ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

マスコミが作るスケープゴート

最近読んだ雑誌(?)で興味深かった記事が、マスコミによるスケープゴーティング。常日頃からマスコミほど酷いイジメをする人たちっていないよなぁ、と思っていました。私だけでなくそう思ってる人は沢山いて(というかほとんどの人がそう思ってる?)、そういう話題になることも珍しくありません。そしたら、そういうマスコミの行動パターンを研究してる人もいるんですね。例として記事に挙げられてたのが、JR福知山線の事故に関する記事数です。新聞記事の数を毎日数えるのですが、その攻撃対象を分類分けしてるんです。事故発生から日が経っていないと攻撃対象は個人です。最初は当然運転手やら車掌。それが慰安旅行に参加してた社員から、代議士などに段々変化していくんですね。さらに日が経つと、JRに寿司代金を要求したマンション住民とか、なんだかよくわからない人が攻撃され、そして攻撃対象は次第に個人から集団に移ります。過密ダイヤを作ったJR当局。さらにはそういう機密ダイヤを作らせるにいたった社会の風潮…となっていくわけです。

これだけでも興味深いのですが、さらにその新聞記事の数を縦軸に、横軸に事故発生日からの経過日にしてグラフを作ります。そして攻撃対象を、個人、集団、システム、国家、文化社会などに分類分けします。すると、個人やら集団に対する攻撃記事というのは、もちろん徐々に減っていくのですが、単に減るだけではなくて、一定周期で増えたり減ったりしてるんですね。さらにその周期が個人と集団では違う。ところが、システムとか国家に対する攻撃記事数にはそういう周期がなく、最初徐々に増えて、しばらくすると段々減る、という割と単調な変化をしています。

そういうデータの整理からどういう結論を導くのか、というところにまではその記事は踏み込んでいませんでしたが、私には、そういう切り口で物事を調べるという発想が新鮮でした。しかも、明らかになんらかの傾向があるわけですね。その傾向をさらに分析、想像と発想を加えて解析するのが行動心理学とかそういう学問なんでしょうけど、そのデータを見せられただけで、我々素人でも色々なことを考えることができて非常に興味深かったです。

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大学院入試説明会

大学院入試説明会というものが今日あった。その中の催しに研究室訪問というのがあって、入試を受ける学生さんが各研究室を回って、どんな研究をしているのか説明を聞くというものです。内部から入試を受ける人は、すでに4年生時点で研究室配属されているので、どんなことをやってるのかそれなりに把握していますが、他大学からの受験者、あるいは今配属されてる研究室とは別のとこに行きたいと思っている人にとっては、有意義な(そうであって欲しい)情報収集の機会です。

自分の所属している研究室にも数人やってきて、私のやってる研究を説明して欲しいというリクエストがありました。こちらにとっては嬉しいリクエストで、丁寧に説明したつもりですが、やってることに興味をもってもらえたかどうか。説明した学生が実際に私たちの研究室を希望してくれたら非常に嬉しいのですが、どうなることやら。


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シミュレーション

前にも書いたことありますが、高エネルギー物理の研究では(他の研究ジャンルでもそうなのかもしれませんが)、大学の助教以上のスタッフになると自分自身でまとまった物理解析をするのはなかなか難しいです。というのは、学生や研究員の指導や手伝い、大学の雑用などに時間が取られる、などの時間的な問題だけでなく、物理解析をするために必要な研究というのが莫大にあって、それを主にこなすからです。学生なども勿論そういう研究はしますが、最終的には物理解析がゴールであって、縁の下の力持ち的な仕事だけするということはありません。そういう過酷な状況におかれてる学生もいるかもしれませんが、少数派でしょう。

じゃあ縁の下の力持ち的なアシストの仕事というのがどういうものかというと、例えば、物理解析に必要なシミュレーションデータの生成というのがあります。実験で収集したデータだけでなく、検出器の振る舞いを理解したり、解析手法のチューニングをしたり、シミュレーションデータというのも必要不可欠です。我々高エネルギーの世界は使用するデータ量がハンパではなく、例えば今やっている実験でデータ収集を開始すると数百メガバイト/秒で延々と(=何年も)データを取り続けます。年間数ペタ(=10の18乗)バイトのデータを収集するわけですが、それだけの実データ量をシミュレートしようと思うと、やはり莫大なシミュレーションデータを生成しないとならないわけです。もちろん実データと同じ量だけ生成するという無茶はできませんが、それでも日常生活では扱わないような莫大なデータ処理です。

そんなシミュレーションデータの生成を最近始めました。というか、そのための準備を始めました。我々の世界にとってはそれほど莫大なデータを生成しようとしているわけではありませんが、普通の人には想像つかないようなcomputing resourceを使います。自分の研究費でサーバを買った時にSEの人と話をして、何でそんなにCPUとストレージがいるのかと、質問されたことがありました。売ってるほうですら、高エネルギー業界のコンピュータの使い方が信じられないんだそうです。

とまあ、そんなわけで、これから数日はコツコツとシミュレーションのため、というか、シミュレーションデータを生成するプログラムを流すための準備です。プログラム自体はすでにあるのですが、それを走らせるためのセットアップがまず必要で、その次に、大量のジョブを流さないとならないので、それを自動的に行うための準備が必要になります。何百、何千というジョブを手で流すことは不可能ですから。


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メールトラブル

複数のメールアドレスを持っていますが、研究あるいは仕事で使っているのが3つ。そのうちの1つは研究室自前のサーバーなのですが、昨日から今日にかけてそのサーバーにトラブルがあって、メールを受け取れなくなっていました。ずっと受け取れなかったわけではなかったので気付きませんでしたが、今日の夕方から問題が顕在化して(少なくとも私にとって)、何人かからメールが届かずに返ってきてしまうという電話連絡を受けました。

こういうトラブルのイヤらしいのは、油断してると問題が発生してる側の人にはそのトラブルに気付きにくいということです。また、仕事の連絡は今やほとんどがメールで、メール以外に連絡手段がないという場合があります。実際、自分の学生プライベートな電話番号を知らないので、学生との連絡手段はメールだけです。大学の事務に行けば電話番号調べられますが、もちろん事務は24時間対応ではありません。そういうわけで、メールを送ろうとしても送れず、トラブルに気付いた人がいても、連絡する手段がないこともあります。本人はトラブルに気付かず、それを誰かが教えてあげる方法もない、こういう状況になる可能性があります。

今回私がこのトラブルに最初に気付いたのですが、というか、正確にはそういうトラブルがあることを私にメールを送ろうとした人に教えてもらったのですが、このトラブル解決にはサーバーを管理している学生に連絡する必要があり、その学生に連絡するにはメールする必要があり…というわけで、なかなかトラブル解決できませんでした。

自分自身は決してメール依存症にはなっていませんが(携帯すら持っていないくらいで、メールなしの生活でも正直問題ありません)、仕事をするとなると、メール無しではやっていけないことを痛感したトラブルでした。


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定例ミーティング

金曜は大学関連の雑用に一日追われました。午前中と午後、それぞれ別件でしたが、研究とは関係ない仕事でほぼ一日が終了。

昨日月曜はそれなりに研究を行えました。プラス我々の大学で同じ実験に携わっている人間の定例ミーティング。学生数人、研究員1人、そして私とこじんまりしたグループだが、一番身内意識の強い集まりです。実際にやっている研究内容も当然一番似通っています。この定例ミーティングは毎週月曜午後なのですが、誰かが研究所に出張していることが多いので大抵テレビ会議でミーティングを行います。ここで先週仕入れた新しいシステムEvoというのを使ってみると、参加者一同がやはり使い勝手のよさに驚きました。宣伝するわけではないですが、オモチャとしてなかなか面白いです。

今日の午前中は大学の研究室で毎週行われているミーティング。同じ研究室でも実は3つの違う実験に参加していて、自分たちのやっている実験以外の進行状況などがわかって、視野を広めるのに非常に役立ちます。特に学生とスタッフが持ち回りで、自分の研究の進捗状況、あるいは、最近気になっている論文紹介のどちらかを行うのですが、これが面白いです。こういう機会がないと、切羽詰まった自分の仕事に追われてなかなか他の実験について勉強する機会を持てませんが、半強制的に自分の仕事・研究とは関係ないことに触れる機会を作れます。新しいアイデアのタネに…なるかどうかは別として、マンネリでなく頭の柔軟体操と言った感じで私自身は結構楽しんでいます。

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これから会議

今日は今まで比較的研究に没頭していました。しかし30分後に会議があり、研究は中止。開始に遅れてもいい会議ならまだしも、今日の会議は大学関連で司会3人のうちの1人のため遅れることができない。このように開始時間が気になると、集中力を要する仕事はもうやれません。ということで、今はこうしてブログを書いたり、メールの読み書きをしたり、出張申請のための書類整理をしたり、まあ雑用をこなしています。
…このブログを書いているのは雑用ではなく、趣味ですが。ははは。

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テレビ会議

実験を行っている欧州原子核研究機構(CERN)は、インターネットを使うhttp、あるいはwwwを開発した所として有名である。有名と言っても、素粒子物理学の実験よりも遥かに有名という意味で、どれくらい一般の人が知っているのかは知りません。なぜインターネットを使っての通信を開発したかと言うと、素粒子物理学の実験は非常に大規模で国際協力実験がほとんど。つまり研究者が世界中に散らばっているので、情報を共有したり、電話以外の通信方法が必要。そのためにインターネット技術が世間に先駆けて開発されました。

今も当然ネットワークを使っての通信をフル活用していますが、中でもテレビ会議を非常に高い頻度で使用します。テレビ会議と一言で言っても色々なシステムがあるのですが、最近流行(?)しているのがEvoというシステム。これは会議室同士を結ぶというより各個人がPCを使ってテレビ会議に参加するためのシステムで、それを今日初めて使ったのですが、高クォリティと多彩な機能に驚きました。しかもタダ。画質・音質が良いシステムはやはりそれなりに高い機材を必要とするのに、タダで高機能というのは驚きです。

特に驚いたのが、共通のお絵描き画面を参加者全員で共有できること。自分の画面には当然自分で記入できますが、それが参加者全員に送られるわけです。つまり1つの画面をネットワークを介して会議に参加している人々が同時に編集できるのです。さらに、自分のディスプレイ上の特定の領域を参加者全員に送れます。通常だと画像はカメラ経由で送るので画質がどうしても良くないのですが、この昨日ではカメラを使わず非常に鮮明な像を送ることができます。さらにさらに驚いたのが、3人以上の参加者がいた場合、ある特定の人と内緒話ができるのです。Aさん、Bさん、Cさんが会議に参加していたとします。通常はAさんが喋れば、その音声はBさんCさんの両方に届きます。ところが、Cさんが喋っている最中にAさんがBさんだけと話をしたい場合、Bさんにだけ音声を送れるのです。しかもCさんにはAさんがBさんと話をしていることを気づかれずに。会議中にとなりの人とひそひそ話をする感覚です。

今までは別のシステムを使っていたのですが、これからはEvoをフル活用することになりそうです。
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研究所と違う生活

先週大学に戻ってきてからは、研究所に出張している時とは微妙に異なった研究生活を送っている。今年度担当の授業は3コマ全て後期に配置できた(前期は大部分の期間を出張するつもりなので)ので、大学に戻っても基本的には研究所にいる時と同じリズムで生活ができるはず。しかし、研究室内の学生と研究その他に関する話をしたりするので、やはり研究所に一人でいる時とはリズムが少し異なる。プラス大学では授業以外の雑用的な仕事が結構ある。例えば今日を振り返ってみると…。

午前中は研究室のミーティング。午後は自分の研究をぼちぼちやりつつ、大学にある原子核実験施設というものの紀要の編集関係の仕事をこなす。打ち合わせと実際の編集作業。単に作業を進めるだけなら大して時間はかからないのだが、ある人をメンバーとして載せるかどうかを相談するとか、そういう作業以外のことにかなりの労力を割いてしまう。そうこうしているうちに、学生が海外で研究活動を行うための資金援助のプログラムに関する調べ物をして時間が過ぎる。

とまあ、そんな生活を送っています。
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時差ボケ

私用で緊急に出張予定を変更し、1週間ほど前に帰国。大阪に到着直後に実家のある埼玉へ移動した。ジュネーブ⇆大阪の移動には慣れているが、いや、慣れていてもそれなりに疲れるけど、ジュネーブ→大阪→埼玉の山の中という移動は流石にしんどかった。

ジュネーブと日本では時差は現在7時間(スイスは今夏時間のため)。なので、日本からジュネーブへ移動したときはそれほど時差ボケはつらくない。ジュネーブに着いた直後には、晩飯を食べてすぐに寝て夜中の2時くらいに目を覚ますことになるのだが、無理して調節しなくても平均して1日に1時間くらいずつ生活リズムが遅れて、1週間もしないうちに自然に時差ボケは解消される。ところが逆は一般的にちょっと辛い。日本に戻って来ると、寝る時間というのがジュネーブでの夕方くらいなので、なかなか眠れない。そして眠いのが日本の午前中。朝方ようやく眠れたかと思うと、すぐに起きないとならないからだ。油断して午前中寝てしまおうものなら、本当に時差ボケは解消されない。辛くてもとにかく朝起きるのが時差ボケ解消の方法のようである。少なくとも私にとっては。

そんなわけで、激しく時差ボケというわけではないが、未だに朝起きるのが相当辛い。夜は普通に眠れるんですけどね。だったら時差ボケじゃなくて、単に眠いだけか?
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ジェットの性質

何日か前のエントリーで書いたように、ジェットの性質を研究するのは我々にとって非常に重要です。例えばヒッグス粒子を探すとしましょう。ヒッグス粒子は生成直後に別の粒子・反粒子対に崩壊します。わかりやすいとこだと例えば電子・陽電子に崩壊します。どういう粒子に崩壊するかはヒッグスの質量その他の性質で決まるので、ヒッグスの性質を調べるためには色々な崩壊を通してヒッグスを観測することが重要です。そこで、ヒッグスがbクォーク・反bクォーク対に崩壊する事象を我々は観測しようとしています。すると、これまた上のリンク先で書いたように、bクォークあるいは反bクォークというのは多数の粒子からならエネルギーの塊、すなわちジェットとして観測されます。

ここで問題になってくるのが、バックグラウンド(背景事象)と呼ばれる偽の信号です。例えば、bクォーク起源でないジェットというのは、ヒッグスの生成とは無関係に莫大に生成されます。そこで、観測されたジェットがbクォーク起源なのか、それとも別のクォーク(u, d, sクォークなど)あるいはグルーオン起源なのかを識別しないと、ヒッグスがbクォーク・反bクォーク対に壊れたという信号を選び出すことができません。我々の探すヒッグス生成・崩壊の信号よりもバックグラウンドが何億倍、何十億倍も多いので。

というわけで、観測されたジェットがbクォーク起源か否かを識別する方法が必要です。個人的に今やっている研究の1つがこれに関するもので、いかにbクォーク起源のジェットを確実に選び出し、いかにそれ以外のジェットをふるいにかけて落とすか、を研究しています。また、選び出したジェットが本当にbクォーク起源である確率、逆に間違えてしまう確率を測定することも重要です。ところが、最初からこれはbクォーク起源のジェット、これはdクォーク起源のジェット、とわかっているものがないので、性能評価をすることが実は非常に難しいのです。いかに性能評価をしたらいいのか、今実は悩んでいます。すでに確立されたいくつかの方法はあるのですが、それに変わるような新しい方法がないか今色々調べています。
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