ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

出張

スイスへ出張。家を出発してから約20時間後の昨日の夕方、出張先の研究所の宿舎に到着。今回は2ヶ月弱とわりと長めの出張である。子供に顔を忘れられるのではないかと真剣に心配している。2、3週間程度の出張でも、家に帰って1日か2日は妙によそよそしくなるくらいなので、今度家に帰った時の反応がどうなるのか興味津々だったり、心配だったり…。

今回の出張でもう一つの大きな心配事は、住む場所。研究所の宿舎は1年間で60日間しか利用できないというルールがあって、すでに今年30日間近く滞在している私は、今回の出張全部を宿舎に泊まることができない。だからと言って、それに代わる宿泊施設があるわけではなく、大きな研究所なのに住環境の提供があまりにもお粗末なのである。だったらアパート、あるいはホテルを利用すればいいと思われるかもしれないが、研究所のあるジュネーブは世界でも物価が高くて有名(東京、大阪などの都市部の2倍強)な場所で、かつアパートもホテルの部屋も極度に不足している。だからこそ、研究所のhousing officeがしっかり機能していない事が問題になるのだ。ちなみに、世界中にある大規模な高エネルギー関係の研究所の中で、これほどhousing officeが機能していない所はないようである。そんなわけであと1週間くらいで、住む場所をなんとか確保しないとならない。

とまあ、心配事は色々あるのだが、やはり研究所のほうが仕事は遥かにはかどる。大学にいる時と違って雑用が少ないので、前々回のエントリーで書いたように研究の集中度が違う。かつ、わからないことがあった時に、メールで質問するより、直接話をしたほうが当然のことながら問題解決までの時間が圧倒的に短い。しかも、メールと違って時差もない。実際、検出器の解析をするためのソフトウェアの整理と開発を今まで先延ばしにしていたのだが、今日はだいぶはかどった。
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先週のこと

先週は月曜、火曜と出張。物理解析のアイデアを求めて現象論の理論屋さん、他大学の研究者などとミーティング。水曜は、実験グループがまとめたシミュレーションによる解析結果を審査するためのミーティング。その下準備として、解析結果をまとめたレポートを読んで、どこに文句をつけるか、問題がないか考える。木曜日は教室会議と呼ばれる大学の物理学専攻のスタッフによる会議。今年度はその司会or書記の担当なので、会議の前の週に短い打ち合わせ等もある。理学部所属の原子核研究施設というものがあるのだが、、そこの紀要を編集するための打ち合わせが金曜にあった。編集委員は3人。プラスサポートしてくれる方が2人。編集委員のうち2人は持ち回りで(=私はその1人)、1人が編集作業を中心に行うのだが、今年はその役割が自分に回ってきた。なので、打ち合わせ前にも資料作りをしたりする。

というようなことが研究以外で先週した仕事。その隙間をぬって引き続きシリコン検出器のモニター関係のソフトウェアの開発を行う。先々週問題を解決して晴れ晴れとした気分だと書いたが、いつものごとく、新たに問題発生。これまた人に聞いても解決方法がわからず、約1週間まるまる潰してようやく解決。しかし、次なる問題が発生して、また開発が滞っている。最近は1週間かかって問題を解決、問題解決と同時に新たな問題発生、というパターンで、ここ数週間全然仕事がはかどらない…。
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本日の進展

大学、あるいは研究所のスタッフと聞くと、毎日朝から晩まで研究に没頭していると多くの人は思っているかもしれない。博士課程の学生、あるいはその次のステップのポスドクと呼ばれる人たちは、そういうイメージに近いと思うし、そうでなければならない。しかし、それより上の立場になると、なかなか研究に時間をさけない。大学なら、授業を含めて教育は研究と並ぶ大事な両輪の一つなので、それに時間をさくのはある意味当然(この点については私見があるので、それについてはまた後日書いてみたい)。しかし、それ以外の雑用にまで追われているのが大学のスタッフの実情です。

そんなわけで、なかなか集中して研究する時間が取れないのだが、今日は久しぶりに進展があった。一つは、実験で使う検出器の一つをモニターするプログラム関連。ここ数日、何が問題で動作しないのかわからなくて、やさぐれていたのだが、今日ようやく問題解決。1週間ぶりくらいに晴れ晴れとした気分。これでさらにプログラム開発が進む。

もう一つの進展は…説明が難しい。我々の実験は、陽子と陽子をほぼ光速になるまで加速しそれらを正面衝突させる。それによって非常に高いエネルギーを作り出し(=宇宙の初期状態に近づけようとしてると思ってもらってもよい)、未発見だった粒子を探したり、あるいは、その高エネルギー状態でしか存在しない粒子の性質を探るのが目的である(なぜそんなことして面白いのかも追々説明したいと思う)。実験と一言で言っても、今説明したようにただ陽子と陽子を衝突させるだけでなく、シミュレーションで色々調べて実際のデータと比較したり、やることはたくさんある。そういうわけでシミュレーションを使って(ちなみに、我々の実験は今準備段階なので、実データはまだ存在しない)ある特定の問題の研究をしていたのだが、これまたここ数日進展がなかった。それが今日はどうやら解決。明日はそれをさらに確認してみるつもり。

やはり、まとまった時間をさけると研究がはかどる。総和で同じ時間でもぶつ切りの時間を足し合わせたのと、一塊の時間では集中度が全然違う。集中度をあまり必要としないルーティンワークに近い仕事なら、ぶつ切りの時間を効率良く使えるが、何か問題があってそれを解決しないとならない場合は、やはり一塊の長い時間が欲しい。
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花見

一念発起して研究者の日常を綴ると前回エントリーしたが、今日まで何も書かなかった。まあ今後もこれくらいのペースだろう(多くても)。しかし、実はこのブログを書き始めた翌日の5日には年に2回しかないイベントがあった…。

研究者というのは、汚い服を着て、本の山に埋もれて、一般人から見ると浮世離れした生活をしてると思われるかもしれないが(実際、大体あってる)、一般人に十分溶け込める人材もそれなりにいる。そういう社交的な人材によって立ち上げられて運営されているイベントの一つに「関西高エネルギー花見」というのがある。京阪神地方の大学で高エネルギー物理をやってる人たちが集まって、桜をダシに酒を飲もうという企画である。私は今回初めて参加したが、普段会うことのない同業研究者とその卵たちと親睦を深めることができてなかなかよい企画だった。酒を飲む機会があれば何でも嬉しいのだが、今回は天気も良く、桜も満開に近く、本当に気持ちのよい午後を過ごすことができた。私はちょっと都合があってお手伝いできなかったが、準備してくれた学生さんたちには感謝している。

ちなみに今回の場所は大阪城公園。毎年準備する大学が変わって、それに合わせて会場も毎年変わるらしい。あともう一つの関西高ネルギーの人たちの催しに「芋煮会」というのがあるらしい。これは毎年秋に奈良女子大学の高エネルギー関係者によって催されていて…ということまでしかわからない。私もまだ参加したことがないので。次回もし参加して、かつその時までこのブログをつけていたら、その時には報告するつもり。

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新年度

一念発起。いつまで続くかわからないが、ATLAS Osaka グループで奮闘する人々の日常を綴ってみる。



素粒子物理を物理屋以外の人に説明しようとした足跡


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