ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ATLAS25周年記念

10月のATLAS collaboration meetingでは,ATLAS25周年記念のイベントが開催されます。1992年の10月1日にLettor of Intentを出したそうで,そこから数えて25年ということになります。1992年というと,SSC計画を中止するかどうかで当時の高エネルギー物理学業界が揺れていたのだと思いますが,学部学生だった私には,SSCもLHCもよくわかっていませんでした。それから25年,計画を立ち上げようとしていた人たちは感慨深いでしょうね。

ところで,ATLASという名前は,実験グループでよくある公募で決められたそうなのですが,その命名者,つまり公募で選ばれた名前を応募したのは,何の巡り合わせか現スポークスパーソンのKarlなんだそうです。この前本人から直接話を聞きました。公募の締め切りにわずかに遅れたのですが,当時のmanagementの偉い人に出すのが遅れたけどまだ受理してもらえるかと尋ねたところ,名前は何だ?と聞かれ,ATLASだと答えたら,それなら受理しようということになり,その名前がコンテストを勝ち残ったのだそうです。縁なのか,当時から優秀で頑張っていたからこそ今の地位に就いたのか,その両方なんだと思いますが,その命名者がスポークスパーソンとして25周年記念イベントを仕切るのは,でき過ぎな話です。


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J-PARC宿舎初宿泊

前回のエントリーに書いた通り,今日はJ-PARCのPACのためにJ-PARCに来ています。朝7時に家を出て車でJ-PARCへ来て,19時半くらいまでみっちりと会議をやり,その後,関係者で食事。ちょっと前にJ-PARCの宿舎にやって来ました。

PACのときは,多くの審査員がいつも勝田のホテルに泊まるので,私も今まではそうしていましたが,今回は初めてJ-PARCの宿舎に泊まってみました。J-PARCは朝9時前は入構する車で大渋滞になるので,8時過ぎくらいには入構するように行動します。そうすると,勝田を7時過ぎから7時半くらいに出ないとならないので,不必要に朝早くホテルを出ないとなりません(PACが始まるのは9時です)。それに加えて,J-PARCの宿舎はそこそこ綺麗だという話を聞いていたので,今回は宿舎を試してみました。

その宿舎は,噂通り,非常にマトモです。新しいから綺麗なのは当然なのかもしれませんが,私たちが通常利用する安ビジネスホテルよりは綺麗かもしれません。壁や調度品がいかにも宿舎っぽいですが,それを除けばそこそこ快適です。朝少しゆっくりできることを考えると悪くない選択かもしれません。

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嬉しいニュース2つ

今日は嬉しいニュースが2つあります。

まず1つ目は,D論執筆中のJくんが通称5人委員会と呼ばれる内審査に進むことになったこと。まあ,これは,Y教授と私の議論で決まることなので,ニュースと呼ぶのはちょっと微妙かもしれませんが,まあとにかくよかったです。関門は5人委員会,そして公聴会と2つありますので,今日のニュースはそれらに比べると小さいニュースではありますが,とにかく,目に見える進展です。

もう1つは,叫び声をあげたくなるくらい嬉しいニュースなのですが,その結果は公表されているとはいえまだ途中段階のような不思議な状態なので,今日は詳細は書きません。最終発表されたときに詳しく書きます。

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入札とか

今週は企業の人と打ち合わせの多い1週間でした。研究開発関連だけでなく,研究成果の事業化を目指して投資を行う会社の人と会うなど,割と珍しい経験ができました。あ,研究成果の事業化うんぬんは,もちろん,私たちの研究に直接関係のある話ではありません。素粒子物理学を事業化..できたらいいですけど,なかなか難しいですよね。ははは。

それと並行して,いや,多少の関連もあるのですが,入札が必要な案件を幾つか抱えています。金額が小さいときは随意契約できますが,ある一定の金額を超えると入札を行わなければなりません。その閾値も何段階かあって,高額になればなるほど必要な手続きが多くなったり,公告期間が長くなります。公の金を使って研究しているのですから,入札という仕組みがあって当然ですし,そのための手続きが煩雑であろうともそれに対する愚痴を言える立場ではないと考えているのですが,いつも心配なのは,落札してくれる会社がマトモな会社かどうかということです。

もちろん技術審査があるので,それでうまくフィルターしなさいというのが入札の仕組みではあるわけですが,実際問題としてはやはり結構難しいです。自分たちが使ってみて,これはOK,これはダメというのがあるわけですが,それを抜けなく仕様にするのはそれなりに難しいですし,仕様上の数字には露わに表れてこなかったり,どうやって数値化したらいいのかわからないけど使ってみるとA社のよりもB社の製品のほうがいい,なんていうことがよくあります。加えて,海外の会社なんかだとよくあることですが,技術審査のときに出してきたものと量産品の品質に違いがあるときがあります。あるいは製造バッチによる違いとか。品質管理と品質保証の問題なわけですが,大量生産してみないとわからないそういう部分を技術仕様に盛り込むのは難しかったり...などなど,技術上難しい部分が色々あるので,きちんと自分たちの要求する性能を満たす製品を製造できる会社に落札してもらうためには,準備が結構大変です。

その準備を1件についてはNくんがやってくれるはずなのですが,もう1件を私がやることになりそうなので,その準備をぼちぼちやっています。ところで,私たちが扱う程度の金額だと応札期間も含めてそれほどの長期間を必要とするわけではありませんが,CERNで金額の大きなものを国際入札にすると,30週だか50週かかってしまうとか。その期間の長さに驚きです。技術発展の著しい分野だと1年たったら,落札したものよりも,より安くて高性能のものが買えてしまいそうです。。。そういうことも考えたら,応札も含めた手続きの期間の最適化は必要な気がします。

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H→bb

今日がEPSの最終日です。日米の実験グループは,新しい結果の発表は夏だったらICHEPかLepton Photon。冬だったらMoriond EW,それに間に合わなかったやつをMoriond QCDというのがよくあるパターンですが,ATLASとCMSの場合はEPSでも新しい結果を出します。

今回は2016年までに収集したデータをすべて解析した結果が結構出ています。SUSY発見というような大ニュースはありませんが,さまざまな探索で着実に感度が上がっていますし,各種測定精度も向上していて,統計が増えたことの恩恵を実感できる結果が多く出ています。

中でも私が個人的にイチオシなのは,ATLASのH→bbです。Fermilab時代から興味を持って自分でやっていた解析ですし,ATLASに移ってからもポスドクや学生がこの解析に携わり,一番こだわりのある解析テーマといえるかと思います。その信号が見えました。人によって見えたかどうかの判断は分かれるところかもしれませんが,bjet2つで組んだ不変質量分布を見ると,「見えた」感が私にはあります。多変数解析が大流行りでBoosted Decision TreeがATLASではよく使われていて,その分布を見ると,よりはっきりと信号っぽく見えますが,私にはそれを見ても信号とは感じられないのですが,質量分布だと見えた感じがするのは,私が年をとっている証拠なのかもしれません。

この測定結果で,SMと一致していてガッカリと感じる人もいるみたいですが,私にとってはようやく測定すべき対象が見えた。これからが本当の勝負,という感じです。H→bbは一時期はLHCでは難しいと言われていた測定ですが,これだけきちんと見えるようになったのは,新しいアイデアや加速器と検出器の頑張りによるもので,素晴らしい結果だと思います。最初は無理,難しいと思われていたものが見えるようになったのは,今になってみると当然のことなのかもしれませんが,人々が当初想定したよりも実験のポテンシャルが高いことを示すわけで,元気が出てくる結果です。

このエントリーを早く書きたかったのですが,いつ公開するのかまでフォローしていなかったので,最終日を待っていました。

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