ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

怒涛の数日

前回のエントリーでは,ミーティングの内容を楽しんだなんていう呑気なことを書いていましたが,その後,私の周りの状況が急変。ミーティングに出て,関係者と打ち合わせをする目的でCERNに来ていましたが,並行して,某所でHL-LHCの説明をするための準備,政府が補正予算編成を決めたことを受け,それに備えた準備。どちらも超重要,かつ,超緊急の案件で,ここ2,3日は私の処理能力を完全に超えていました。そのおかげで,返信すべきメールがだいぶ溜まってしまいました。

今はジュネーブ空港で飛行機を待っているところですが,上記の緊急案件に関連して,日曜まで打ち合わせが入ってしまいました。その後,月曜は某所に行き,そして,水曜はまたCERNに戻ってくるというハードスケジュールがこの先も続きます。ちょっと前にも書きましたが,体力温存が今まさに私のテーマです。

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ミーティングを楽しむ

今回のCERN出張は,HL-LHC用シリコン検出器開発に関するcollaboration meetingに出るためです。今日はこれから,各国がどこをどれだけ担当するかを議論するセッションがあったり,その分担についての水面下の交渉とでも言うべき内緒の打ち合わせがあったり,と,私にとっては1番頑張らなければならない日であり,ヘビーな日でもあります。

一方,昨日は,私たち日本グループも関連するセンサーとその周辺部に関する議論がテーマで,ほぼ技術的な話ばかりだったので,それぞれの発表を楽しんで聞いていました。特に,CMOSピクセルセンサー関連は色々と情報収集できて面白かったです。これまで高エネルギー物理で使われてきて,かつ,HL-LHC用の本線として開発されているのピクセル検出器は,センサーと,信号読み出しのためのASICをバンプボンディングするタイプなのですが,それに変わるものとして,センサーと読み出し回路が一体化したCMOSセンサーが精力的に開発されています。ATLAS(やCMS)では,このCMOSセンサー開発が非常に盛んで,各国,各グループが独自のベンダーと連携して,様々な技術開発を行っています。

正直,HL-LHCで使うための実用化にはまだ時間がかかるだろうという印象なのですが,新技術開発はそれ自身が楽しいですから,それはもうたくさんのヨーロッパ人が開発競争に参加しています。発表で面白いと思ったのは,開発しているグループ自身は結果を見せる際にいいとこ取りをするのですが,第3のグループが色々な試作品を試験して比較すると,開発グループが見せない結果まで見せてくれることです。開発の鍵となっている,つまりは,ボトルネック部分に関する結果をきちんと見せてくれるので,それは非常に興味深かったです。

国際会議等でも同じですが,競争になると,発表内容は人に見せたい,うまく行ってる部分ばかりになり,問題を隠す傾向になるので,真の開発進行状況がわかりづらくなってしまいます。でも,開発グループとは別の第3者グループが試験をすると,隠し事をせずに何でも見せるので,公平で面白い発表になります。実際,今回,ある測定結果が非常に悪い結果だったのですが,瞬間,開発グループからそれは間違っているというコメントが飛んできて,でも,発表者は間違っていないと主張。このやりとりはなかなか面白かったです。一聴衆としては,だったら開発グループがまさに見たいそのプロットを出せよ,というツッコミを入れたいところでした。我々が本当に見たいものを見せないんですよね。。

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CERN短期

CERNに短期で来てます。昨日の晩ついて,明日の昼前には出発という短さです。人間とは思えない日程で出張をこなすKEKのTさんなんかは,深夜便で朝着いて,0泊なんていう恐ろしい日程の出張をしたりしますが,凡人の私は,最近は短期でのCERN出張が増えているとはいえ,3泊が普通だったので,今回は自分の中では最短記録になります。

今日の午後,とある検出器製造の分担に関する議論があり,その日程が決まったのが先週。超重要なので出席しないわけにはいかず,また,テレビ会議というのもありますが,この手の超重要で何かを決めなければならないときには,テレビでは役不足。急遽出張の手配をしてやってきました。大切なのは会議そのものだけでなく,その前後も重要です。案の定,会議の前に各国の状況の探り合いや,協力関係の模索など,色々な動きがあります。まさに外交。こういう水面下での動きに乗り遅れないためにも,現地で会議に参加することは非常に重要で,会議が始まる前から,無理して来ておいてよかった,という感じがしています。

それにしても,この会議,長いです。その直前に,何人かと打ち合わせをするので,午後はまるまる会議尽くしです。。

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3860人

一般公開を終えました。今あった放送によると,4000人弱の来場者があったようです。KEKまで足を運んでくださったみなさま,ありがとうございます。

ATLASのコーナーは,例年と同じくらいの人出だったかな,と思います。一般人に紛れて,私が阪大にいた頃の学生だったUくんに会ったのには驚きました。KEK一般公開リピーターも結構いたようで,その中の1人は,私の学生時代の同級生でした。こういう機会を利用して昔の知り合いに会えるというのは悪くないもんですね。

関係者のみなさま,お疲れ様でした。

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子供の職場見学とか

中学生の子供の夏休みの宿題に職場見学というのがあり,先日,息子をKEKに連れてきました。このブログにもときたま登場するNさんにBelleの見学を頼み,Belle検出器のエンドキャップヨークを開けるところなどを見学させてもらいました。子供には当然Belleのことはわかりませんので,KEKの広さやBelleの大きさにひたすら驚いていました。職場見学という名目でしたが,私が何をしているかは結局全然わからなかったでしょうから,宿題の設問に何と答えたのか謎です。

仕事は仕事ですから,誰でも辛いことはあると思うのですが,私の場合立場上,特に最近は何かの提案を断らざるをえないことが多く,それが辛いです。研究者は基本色々なことに興味があり,各人が色々やってみたいことがあります。でも,なんらかのプロジェクトリーダーである以上,そのプロジェクトを進めることが第一義なので,メンバーがやりたこと全てをそのままやってもらってしまうと,プロジェクトが成立しなくなる恐れがあります。加えて,プロジェクトの大きさに比べて,人出も予算も足りていませんので,なおさらメンバーの希望を叶えてあげられないことが多くなっています。自分の力量のなさに申し訳なく,誰かが言っていたように,リーダーの仕事は人に頭を下げることだと実感する日々が続いています。。

それでも,ATLASを推進したいと思っているのは,やっぱり新発見です。あるいは,若い人が活躍,成長するのを見ることです。何か景気のいいニュースが欲しいところです。

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