ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

1GB/s

前回のエントリーでは何かを書こうと思っていましが,だいぶ長くなったので途中でやめたということは覚えているのですが,何を書きたかったのか(当然)すっかり忘れてしまいました。。そこで,前回エントリーを読み返してみると...

40MHzで起こるバンチ交叉。その交叉ごとに数10の陽子陽子衝突が発生し,1事象(=1バンチ交叉で発生する全ての陽子陽子衝突事象の重ね合わせ)あたりのデータ量がオーダー1MBなので,それらを全て記録することは到底できない,というところで話が終わっていました。

じゃあどうするかというと,記録する事象だけ選ぶトリガーというものを導入します。40MHzで発生する陽子陽子衝突事象の中から,これはHiggsの解析に使えそうだ,これはSUSY探索に使えそうだ,これは検出器の較正に使えそうだ...というように,有用そうな特徴のある事象だけにトリガーをかけてデータとして記録します。平たくいうと,データ収集するためにオンラインで事象選別をするわけです。

しかし,すでに記録されたデータから事象選別するのと違って,事象として記録するかどうかの判断とそのデータ収集を並行して(?)行わなければなりません。そこで,シリコン検出器では40MHzで発生する陽子陽子衝突に対して,各センサーに粒子通過の信号があったかどうかなどの記録を一旦全てシリコンセンサーに貼り付けてあるICに記録します。たとえば256回分のヒット情報を格納しておけるメモリーがあると考えてもらえればよいかと思います。で,そのヒット情報が上書きされないうちに,つまり256×25ns(=1/40MHz)以内に,有用なデータとして記録せよというトリガー信号が来た場合,それに対応するメモリーに入っていたヒット情報をデータとしてテープに記録する,という仕組みになっています。今はシリコン検出器を例にしましたが,基本的にはどの検出器にも同様のメモリーがあります。

じゃあそのトリガー信号はどうやって作るかというと,これはまあ色々あるのですが,現在のATLAS検出器ではミューオン検出器あるいはカロリメータからの信号を使って,高い運動量のミューオンあるいは電子っぽいものがあるとか,ジェットっぽいものがいっぱいあるとか,そういう事象に対してトリガー信号を発行します。

こうしてデータ収集を行っているのですが,テープへの記録速度は今およそ1kHz。先にも書いた通り1事象のデータサイズが1MBのオーダーですから,結局1GB/sくらいで延々とデータを記録し続けています。とんでもない量ですね。だからこそ,グリッドを使うなどするコンピューティング技術もLHC実験の重要な一要素となっています。

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