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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

θ真空

CERN-KEK委員会というものを毎年1回開催しています。場所はCERNとKEKで交代ということになっており,去年はKEK,今年はCERN,で,そのCERNでの委員会に出席するため,というかその委員会を仕切るためですが,月曜日からCERNに来ています。

KEK-CERN委員会には,理論のOさん,というより今回は理事のOさんと言うべき,そのOさんも出席するのでCERNに来ています。Oさんとは世間話をよくするのですが,今さっきは,昼飯を一緒に食べた時にアクシオンの話をしました。興味がある人ない人色々いるかと思いますが,アクシオンは素粒子物理屋だったら誰もがなんとなく気になるテーマの一つです。私の中では,アクシオンが気になる前に,そもそもθ真空があるのかどうかが気になっていたので,それに関して質問すると,場の理論は量子力学と相対論を元にしていて,実験事実に合うように都合のよいところだけを採用するわけにはいかない。だから,場の理論に出てくるものはあると考えるのだ。という,いつものOさん節。私なんかは,場の理論がそもそもわかっていませんから,数学的に正しいからといって自然がその数学的描像を持つかどうかを疑ってしまうのですが,Oさんの回答はキレの鋭いもので,自分が納得したかどうかは謎ですが,会話を楽しむことができました。

逆に,じゃあ,θ真空の存在を実験で示すにはどうしたらいいのかと尋ねたら,それはアクシオンを見つけることだ,と。アクシオンの存在理由が気になって,θ真空のことが元々話題だったのですが,最終的には結局アクシオンを見つけることが一番,というなんだかループに入ったような世間話でした。

そんな私達の雑談はどうでもよいですが,多くの人同様,私もアクシオンはちょっと気になります。

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予算計算ばっかり

年度末が迫っているため,ここ最近は予算の計算ばかりしています。

まだ12月になったばかりだろう,と思われる方もいるかもしれませんが,高額物品を買うにはかなりの期間を要します。金額が大きくなければ随意契約できますが,値段が上がるにつれ,見積もり競争,一般入札,特定調達,というように,必要な手続きが変わり,特定調達だと準備を始めてから契約までに数ヶ月かかります。そこから発注,製造,納品ですから,それこそ半年近く余裕が必要になります。

ということで,もはや特定調達はできなくなっていて,一般入札がギリギリ間に合うかどうかという時期に来ていますし,年末年始を挟むこともあり,納期ももはやそれほど余裕ありません。店頭に並んでいるものを買うわけではない場合が多いので,それなりの高額物品購入に関しては年度末ギリギリというタイミングになってきています。

そこで,今年度の予算がどれくらい残るのか,みんなが買おうとしているものが幾らくらいなのかを調査し,買えそうな高額物品に関しては手続きを早急に始めてもらう,ということをここ最近しているわけです。

しっかし,年度ごとの予算執行は本当に辛いです。驚くべきことに数億円でも複数年契約できないので(建物を作るなど,その組織として絶対に翌年度も金をつけることを確約するような例外を除いて),毎年年度初めに数ヶ月かかる特定調達を実施,年度末までに納品と試験を終わらせなければなりません。いったい,どんだけ不効率なのか。。金額が大きい契約を扱ってる加速器の人なんかは,この点に関していっつも心配しています。たとえば,複数年契約に比べたら,受注を受ける確約がない企業としては,ぶつ切りの単年度契約だったら全ての材料を一括で購入できなくなってしまいますから,コストが上がってしまいます。全部を全部複数年予算執行にすべきとは言いませんが,製造だけで何年もかかるものが単年度会計というのは,あまりにも酷いです。。

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うなぎ旨し

昨日は家族でプチお祝いがあり,その一環として大奮発してうなぎを食べに行きました。おもいきって奮発した甲斐があり,旨かったです。うなぎを食べようと思ってもその値段からどうしても敬遠してしまうのですが,悔しいけれどやっぱり旨いです。

下の子は,見た目が微妙なので最初は嫌がっていたのですが,食べ始めたら凄い勢いで食べ始めて大満足したようでした。上の子が小さい時に鰻屋に行ったら,うなぎ自体はほとんど食べずに,タレののったご飯だけを爆食いしたことがあり,夫婦で大笑いしたことがあったのですが,今回も,下の子はご飯が美味しいといってうなぎ本体だけでなくご飯のほうもだいぶ気に入ったようでした。

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缶詰委員会

昨日と今日は缶詰で委員会仕事です。時間が長くてツライのですが,昨日は,委員会が終わったあとに飲みに行き,楽しく酒を飲んできました。学会もそうですが,この手の委員会仕事のときは,久しぶりにKEK外部の人と会って話ができて,というか,酒を飲めるのが私にとっては楽しみです。どうしても,話題は研究関係のことに集中しますが,普段話をしない人から普段考えてない角度からの話を聞くのが楽しいです。

話変わりますが,学術会議でのILCの議論については,委員会参加者の間でも当然ホットな話題でした。ILCに関しては,当然,人それぞれの考え方があるわけですが,今出てきている所見案については,ILCどうこうではなく高エネルギー物理に対する誤解やら偏見に満ちているというのが多くの人の感想でした。私も同様の感想を持っていて,ILCうんぬんではなく,行間から嫌な臭いを感じました。関係者は頑張って修正しようとしているようです。しかし,ホントどうなるんでしょうね。。

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できないものはできない

昨日の夜は家からテレビ会議でした。深夜のテレビ会議を断らないと,24時間体制になってしまうので,私は極力深夜のテレビ会議は出ないのですが,昨日はシリコンストリップセンサーに関して重要な議論があったので,やむなく出席しました。

センサーを購入したあとの試験内容について議論されているのですが,ATLASグループ,というか,正確にはシリコンストリップセンサーコミュニティが,やろうとしている試験項目があまりに濃密すぎて,センサー全体の約3割を供給予定の日本グループでは,そんな試験をやるリソースが全くありません。個人的にはむしろそんなに試験をやったら検出器として組み立てる前に壊してしまう可能性が高く,むしろ,やらないほうが正解だと思っています。また,シリコン検出器全体を取り仕切るリーダーに苦情を言った際も,そんな試験はクレージーだという一言。それくらい無茶な試験なのですが,空気というのは恐ろしいもので,一旦その方向に向かって進むと後戻りは難しいみたいで,私が一人強硬に反対しています。それに,もし実際それをやろうと思うと,センサー購入代金の2割程度の費用が必要になる可能性があり,予算の面からも全くもって不可能な内容です。

という無茶苦茶な状況なのですが,ストリップセンサーのほうは私自身が目を光らせていなかったために,日本グループでもセンサー開発に関与して定期的にミーティングで発表している人もいるのですが,試験に関する日本グループ内の相談がなくここまで来てしまいました。そこで,試験項目に気づいた私が,ストリップセンサーコミュニティに文句を言い始めて,昨日はそれ関連の議論だったので仕方なくミーティングに参加したというわけです。このままでは,試験実施費用がゼロなのにとてつもない量の試験をやらなければならなくなってしまいますから。

最近の私の仕事は予算関係ばかりだというようなことをよくこのブログで書いていますが,もう一つの仕事は,あらゆる方面で,そんなことはできない,できないものはできない,と突っぱねることになってきています。今回のストリップセンサーのことだけでなく,日本グループの分担に関しても,私がKEKに来る前に想定していたものからはかなり縮小していて,ATLASグループに対して,日本はここまでしかできない,とにかく予算分担を減らしてくれ,というネガティブな交渉ばかりです。

ATLASグループ全体だけでなく,現場の人間が日本グループのリソースを使う約束を勝手に約束してしまうことがあり,それを修正するのも私の重要な役割になっています。向こうは日本に頼みたいのですから,それを安請け合いするのは気持ちよいでしょうが,一旦約束したものを反故にする交渉は難しいし,完全に嫌われ役です。まさに「ノーと言えない日本人」が多くて,その日本人たちが本来言うべき「ノー」の全てを私が代弁しています。

このストレスを私の周りの研究者は感じてくれていて,最近は,安易に仕事を引き受けないようになってきてくれているので,個人的には助かっています。けど,物事を引き受けないで私個人がハッピーになるのは本意ではなく,本当は,振られた研究仕事内容をどんどん引き受けられるようなリソース(金,人両方)が欲しいところです。

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